「青いかいじゅうと赤いかいじゅう」とは、出版社が異なり、絵のタッチも違いますが、ふたりの姿形は同じで、前述の絵本の中で投げ合った石が、このお話の中で、いっぱい散らかっているところからはじまるので、続編のように読むことができました。
見た目も話し方も、「ちょっと変」な黄色いかいじゅうが、住むところを探して、二人のいる島にやってきます。二人は、黄色いかいじゅうのことを、へなちょこレモンだの、おたふくバナナだの、オムレツだんごだのと小馬鹿にして、自分たちの都合のいいように仕事をさせます。
最後は、黄色いかいじゅうが自分の島をつくり、青いかいじゅうも赤いかいじゅうも、黄色いかいじゅうに対する見方が変わった様子が、「おりこうカナリアくん」と呼ぶところからも伺えます。
日本昔話だと、きっと、青いかいじゅうと赤いかいじゅうに罰が当たったり、黄色いかいじゅうが仕返ししたりとかいう展開になりそうですが、このお話は、3人仲良く〜というめでたしめでたしな終わり方ではないものの、3人にとって今後の関係に期待のもてる、心地のいい終わり方だったと思います。
子ども達は、かいじゅう達の滑稽な会話に大笑いしていましたが、内容はとても深くて濃い、いいお話だと思います。