朝ビリィが目を覚ますと、こねこくらいのドラゴンがいました。こわごわ撫でると、しっぽを振って喜んでいるというのに、お母さんは信じちゃくれない、見えもしない。
一日でぐんぐん大きくなるドラゴンはついに家からはみ出してしまいます。ドラゴンが走ると、かたつむりのように家を乗せたまま。郵便屋さんが追いかけ、帰宅したパパも追いかけてきました。
ビリィは今度こそ、ドラゴンは本当にいるんだときっぱり言うと、やさしく撫でてやりました。すると!みるみる元の大きさに戻っていくではありませんか。
最後の1Pに、この本のいいたいことが凝縮されています。ドラゴンが大きくなったわけ、それは「ほんとにいるって みんなに しらせたかったのだとおもうよ」とビリィが言います。
ドキッ。入園したばかりで疲れて眠くて、家ではベタベタに甘えていたい娘を叱りとばしてしまったわ。ちょっと抱いて撫でて諭すことも出来たろうに、我慢の緒が短くて。
娘はたいへんにこの本が気に入った様子。続けてもう一度と催促されました。
子供はいつも「ここにいるよ!よく見て!」と発信し続けています。だけど親も人間、私のように我慢の緒がちょっと短い不完全な親だっているでしょう。発信された電波を、上手にとらえられない時もあるのです。
そういう日の終わりに、優しい声で読んであげたいと思う、そんな親心子供心を代弁して繋げてくれる本でした。娘にもドラゴンが見えていたりして。