この本に出てくるお隣のおばさんは、今までの児童書にはないキャラクターで、最強のツワモノです。周りはすごく迷惑しているのに当人には悪意が全くないところ、あくまでもわが道を突き進んでいくところがすごいですね。作者の近くに実在する人物なのではないかと疑ってしまうほど、その困ったぶりと周りの迷惑ぶりがよく出ています。
今回のハリーは、なかなか頑張っています。おばさんの歌を止めさせるために、作戦をたて、あの手この手で頑張ります。でも、おばさんにはさっぱり通じません。
まるで、強大で理不尽なものに立ち向かっては跳ね返される子どもの姿を描いているようですね。小さい子どもは、理不尽だと感じてもなかなか大人を負かすことが出来ないみたいに。
でもね、作者はハリーの作戦が成功するよりもっと素敵な解決策を用意してくれました。皆が幸せになる結末で、最後の最後にハリーにもほっと心が和む瞬間がプレゼントされます。
娘が小さい頃何度か読みましたが、ハリーの様々な頑張りは楽しかったようですが、お隣のおばさんの強靭さにはかなり引いていました。