王さまシリーズらしい王さまの絵本です。
ナンセンスでちょびっとホラーテイストもあるストーリー。
読み手の疑問への説明やフォローがないため、あれこれと背景や疑問への答えを考えて想像してしまいます。
小さな不気味さや怖さが読後も残ります。
でも、絶妙な展開と描写により、読後は大きな満足感や安心感も得られます。
お話は、いきなり王さまがレストランを開始したところから始まります。
まずはだいじんや先生に料理を振る舞いますが、ウサギが来て奇妙な注文をし、蝶が来て奇妙な注文をし、カエルが来て奇妙な注文をし、ヘビが。。。
ウサギたちはどうなったのか、そもそも王さまの体験したことは現実なのか夢なのか、お話では全く触れていません。
そのため、読後もモヤモヤが残り、色々考え想像させられます。
怖い気持ちも、完全には払拭できません。
でも大きな恐怖が去り、一つできることが増えた王さまの姿を見る(読む)と、大きな満足感や安心感も感じます。
楽しいお話だけじゃなく明るいお話だけじゃない、王さまシリーズの魅力を凝縮した傑作だと思います。