グリム童話で、タイトルも有名なのですが、どんなお話だったか思い出せず、図書館で読んでみました。
男の人が自分の姿を変えるという、『千匹皮』の逆バージョンのような設定でした。
くまの毛皮を着て、髪もひげも爪も伸び放題の姿の男でも、父親の窮状を救ってくれたので、きっと良い人だと信じる末娘と、こんなにひどい姿の男はろくでもないと全く相手にしない姉娘達。
結局幸せになるのは、人の本質を見抜いた末娘なのです。
とても読後感の良いお話でした。
ホフマンの絵がとても丁寧で、このお話にぴったり合っています。
グリム童話には、戦争で活躍したものの、戦争が終わると仕事にありつけず途方にくれるという男の人が出てくるお話がいくつかあります。
実際にそんな境遇の人たちはたくさんいたことでしょうし、そういう事実が物語の背景にあるので、おとぎ話でありながら話に深みが出ているような気がします。
せっかくの素敵な絵本なので、もっと人目に触れるといいなぁと思います。