挿し絵を担当されているのは石倉欣二さんです。日本の昔話の挿し絵をよく手掛けていらっしゃるので、物語の中の世界観はとても素敵でした。
監修は西本啓鶏介さんです。
あとがきによると、
このお話はもともと佐野の伝説として語り継がれていたものらしいです。
そこから江戸時代に浄瑠璃になったことで有名になったんですって。
(わたしはこの作品を読むまで全く知りませんでした…)
舞台の時代は鎌倉です。登場人物の中で、実在していたのは落ちぶれた主人公の貧しい家を訪ねてきた修行僧(実は北条時頼=西明寺入道時頼)のみ。
「鉢の木」というタイトルのわりに鉢の木たちは物語の冒頭ですぐに火にくべられてしまいますが、そういうところが日本人の心にくるのかもしれません。
見ごたえのある時代劇と思って読んでも面白いです。
寒い時期、小学校の高学年以上のお子さんたちにいかがでしょうか?