実に簡潔ながらも、子供たちの気持ちが手にとるようにわかる。あったあった、私にもこうしてドキドキした大事件が。
でも大人にとってはあんなものなんですねぇ。ちょっぴりガッカリしたのは、私が話に吸い込まれていたからか、それともそのまんま子供の部分を持って大人になってしまったからか。
やっぱり小学生の頃を思い出した事からも、それぐらいの子に読むとさらに感情がオーバーラップするかな。幼稚園の娘もハラハラして聞いていましたが……小学校に入ってからまた読んでみたいです。
大人から見たら小さなこと、落ちたのが我が子でなくて良かった、人間でなくて良かった、そんなことだけど子供にとっては大事件。なんとかして助けたい。
子供たちだけで額を寄せ合って試していく姿に、子供に戻って共感を覚えると共に、これぐらいの子供のごく普通の姿だなぁと身近な子を思い浮かべました。
灰谷健次郎さんの作品はこれが初めてですが、臨場感あふれる子供世界を描く人だなととても興味を持ちました。他の作品を読んでみたくなりました。