イギリスの植民地であったインドを非暴力・不服従の活動で独立に導いた偉大な人物。その生い立ちから死までをわかりやすい漫画で描く。
ガンジーは最初からマハトマ(偉大な魂)ではなく、イタズラもするごく普通の少年だった。父が社会的地位のある人だったが、親の七光りに頼ることなく、本人がいろいろな局面で考え、悟り、生き方を決めて進んでいった。自ら正しい道を選びとり、辛い目に遭っても腐らず、他人を恨むことをせず、差別や不当な扱いを受ける社会を変えていく行動をやめなかった。感動して涙がでる一冊。
非暴力・不服従というのは、どういうものか想像できなかったが、漫画で描かれているのを見て、ようやくわかった。私はやられたらやり返すべきだとずっと思っていたし、自分が攻撃されたら相手をずっと覚えていて恨み続けていたが、ガンジーのやり方をみていると復讐したり変に覚えているのが馬鹿々々しくなった。
「人の良心に訴えかける方法」というが、これをやるのは本当に勇気と忍耐力がいる。ひどいことをする相手に「良心」があると信じ続けられるだろうか?相手が諦めるまで、不当な扱いを受け続けるが、決して屈しないということが、自分にできるだろうか?
搾取を受け続けたインドの人たちが一丸となって非暴力・不服従の活動に参加し、仕事をボイコットしたり、理不尽な制度に従わずどんどん逮捕されていく。ガンジーを信じた当時の人々もすごいと思った。果たして自分がその場に居たら、ガンジーの言うことを信じて行動しただろうか?
人の良心を信じることや、暴力以外の方法で問題を解決することを学ばせてくれる素晴らしい一冊。ぜひとも多くの人に読んで頂きたい。