プーカのテキパキぶりが可笑しかった
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投稿日:2010/04/14 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子11歳
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『…おばけいも』も楽しいお話しでしたが、こちらも楽しかった。
ジェイミー・オルークのものぐさには、やはりあきれます。
奥さんのアイリーンが、妹の出産で1週間も留守にするというんです。
どこの奥さんも、夫を残して家をあけるときには大なり小なり危惧する事はありますが、なんて言ったって“アイルランド一の怠け者”のジェイミー・オルークですからね。
友だちもなかなかの頭の回りようです。
アイリーンが留守の時には、美味しいものがたくさん置いてあると知っていて、押しかけてくるんですから。
予想通りの展開です。
飲み食いしたら片付けを手伝って帰ると言うのが、この時代のアイルランドの男たちには思いもつかない事なのでしょうか。
散らかりようを見ただけで、疲れてしまいベッドに入るオルークは、さすが筋金入りの怠け者ですね。
でも、夜中に“渡りに船”のような出来事が…。
不気味なキャラながら、せっせと後始末をする妖精プーカのテキパキぶりが可笑しかった。
「ははも、忙しい時にこんな顔をしているよ。」と息子に言われグサッ!
連夜の宴の後、必ずやってくるプーカ。ここで大笑い。
最後の落ちには、作者ならずとも、ジェイミーに「あなたも気をつけなさいよ!」って、言いたくなりました。
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人間の心理って、こうかもしれませんね
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投稿日:2010/04/14 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子11歳
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こちらのレビューを読んで借りてきました。
面白〜い!
一本取られた〜って感じです。
世界で一番喧しいところは、ガヤガヤという都でした。
なかでも一番喧しいことが好きなギャオギャオ王子様は、来るべき誕生日に、王様にガヤガヤだけの喧しい音ではなく、「世界中の人が同時に怒鳴った音が聞いてみたい」とお願いします。
王子の発案に、王としての権勢欲から王様は、準備に取りかかり…。
前半のガヤガヤの喧しさが、絵からよく伝わってきました。
読んでいるうちに、耳の奥がキーンとしてくるようでした。
世界中を巻き込んでのこの誕生祝いの物々しさも、読んでいて気持ちを前のめりにさせてくれました。
ある小さな町のおかみさんの一言から、『あれあれ?』と思い、“別に悪気はなかったのですが”が繰り返し出てくる当たりで、予想がつきました。
人間の心理って、こうかもしれませんね。
でも、ラストで見事に予想を上回る爽やかなお話しに、『参りました』でした。
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ニンマリしない人はいないはずです
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投稿日:2010/04/13 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子11歳
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ローベルさんの作品の中では、長めのお話しです。
中学年頃から、私はお薦めします。
宿無しネズミのマーサが、あてもなく歩き続けてたどり着いたのが映画館。
映画館の映写機担当のダンがねずみ好きなおじさんでよかった〜。
映画を初めて観たマーサが、劇中にのめりこみ観客を驚かせてしまったところで、どうなることかと思いましたが…。
ダンは本当に優しい人です。
マーサもダンのピンチを見事に救い、素敵な心の交流話だな〜と思いました。
ラストのページの可愛いこと。
ニンマリしない人はいないはずです。
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別れを受け入れるには
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投稿日:2010/04/13 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子11歳
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ピーター・レイノルズさんの絵です。
文は、これが初めての絵本というブロウヤーさん。
想像力と行動力がある知り合いの娘さんのエピソードを聞き、暖めていた構想と合致し、その実話を膨らませて完成した作品だそうです。
テスは6歳と3ヶ月と12日女の子。
テスの木は、だいたい175歳のとても年寄りの木でした。
大好きなこの木との四季折々の過ごし方の描写が素敵です。
ある晩、荒らしになり太い枝だが折れました。
中が腐っていて、倒れたら危険だからとテスの木は切り倒されてしまいました。
大切なものとの別れに、自分の気持ちの折り合いをつける事は、大人にも難しいことです。
別れを受け入れるには、テスには可哀想すぎます。
とっても愛していたのですから。
テスの怒り、悲しみ、そして木へ掛ける想い、どれにも共感できます。
テスの思いついた、最愛の木との“お別れの方法”に驚きぐっと来ました。
175年の間に、テスのほかにもこの木を愛した人たちがいたことを知り、幸せな木だったな〜と、つくづく思いました。
エンディングは、私の予想とは異なりましたが、でもその予感をラストのページの絵に私は読みとりました。
きっと10年後には…。
春の日に読んで、こどもたちに伝えてみたいお話しでした。
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“最高の真理”は、民衆の心の中に
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投稿日:2010/04/13 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子11歳
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福音館の古典童話シリーズの一冊です。
童話となっていますが、中学生位からが考えて読めるのではないかと思います。
「人はなにで生きるか」
「火をほうっておくと、消せなくなる」
「人にはどれだけの土地が必要か」
など、17編がおさめられています。
今から120年程前に書かれたものです。
このほとんどが、トルストイが民衆を啓蒙する目的で出されました。
トルストイ自ら“良い作品”と見なしたこれらは、全ての人に共通の真理をを持っており、一切無駄が切り捨てられ、うわべを飾らない文体で表現されています。
“最高の真理”は、生活のために戦っている民衆の心の中に、素朴な形で保存されていると信じていました。
民衆から学ぼうとする彼の姿勢から完成した作品群を、今このような世の中故、大人も読み直してみる価値があるかと思います。
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定点撮影はよくありますが、定点描写です
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投稿日:2010/04/13 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子11歳
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これは凄い!
定点撮影はよくありますが、定点描写です。
それも100年間。
対象は家。
語り手はこの家。
1656年に作られ一つの時代を家として生き、廃屋となっていたところへ、1900年に子どもたちがこの家を見つけ、家はまた命を吹き返します。
人が住んで家はやはり生き生きとするものだと思いました。
1999年この家が取り壊されるまで、この家に住む人々の悲喜こもごもを描いています。
その背景に、時代の大きな流れもうかがえます。
最終ページの新しい家の様子を見るにつけ、昔の人は、家族力を合わせ、良く働いているなあと思いました。
遠近法にとらわれぬ描写の部分は、中世を彷彿とさせます。
また前半のひとびとの生活の様子も、ブリューゲルの画風と同じ空気を感じました。
大人のための贅沢な一冊、こどもたちにとっても興味深い作品であると思います。
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不思議なリアリティ感をかんじてしまう
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投稿日:2010/04/12 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子11歳
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落語の演目の一つです。
「頭山」は江戸落語での名称で、上方落語では、「さくらんぼ」の題名で演じられています。
この作品は、出だしから“くすぐり”がみられ、手っ取り早くじんべえさんが、散る桜を見ながら、さくらんぼうを口にするところから始まっています。
翌朝、じんべえさんの頭のてっぺんから、ばかでっかい桜の木が一本ニョッキリと生えていて…。
非現実的な話であるにもかかわらず、読んでいるうちに不思議なリアリティ感を感じてしまう魅力的なお話しです。
桜見物の賑やかさあたりで息子は笑いが止まりません。
「ありえな〜い!」って言いながら読んでいました。
桜の木を引っこ抜いて、ヤレヤレとおもいきや、できた池でもうひと騒動…。
落ちがなんともシュールで、自分で蒔いて自分で刈りきれなくなった問題(頭の穴)を抱えている人には、笑えないお話しかもしれません。
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心の豊かさに重きを置いた生き方を…
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投稿日:2010/04/11 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子11歳
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ロシアの民話をもとにトルストイ流にアレンジした「トルストイの民話」の一編です。
暮らし向きははかばかしく無くとも借地農のパホームは、作物を作る生活に誇りを持ち、生き生きと働いていました。
義姉の訪問で、自分の土地を借金をして手に入れます。
その後、懸命な努力で借金を予定より早く返済すると、2倍3倍と土地を広げていきます。
一方、パホームの土地に入り込む他人の家畜に目くじらを立てる、心の狭い人間へと変わっていきます。
パホームの土地所有欲は留まることを知らず、…。
人はみな幸せな人生を望みます。
幸せには“豊かさ”が大きな要素です。
“豊かさ”とは、満ち足りて余裕のある状態。
“足を知る”落ち着いた次元にあることです。
ものに対する際限のない欲望は、心の落ち着きを失わせます。
時に、パホームのような悪魔の声を聞き分ける冷静さも。
そこに“豊かさ”はありえません。
ものの豊かさの前に、心の豊かさに重きを置いた生き方をしていきたいと、つくづく教えられる作品です。
柳川先生は、原作を絵本用に縮め、明解な文体になさっています。
特に最後の召使いの一言は、この作品の趣旨を著す、痛烈なシニカルな言葉です。
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それは、9本の苗木から始まりました
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投稿日:2010/04/10 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子11歳
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ワンガリ・マータイは、ケニア出身の女性環境保護活動家です。
2004年、環境分野の活動家としては史上初のノーベル平和賞を受賞(アフリカ人女性としても史上初)されました。
1977年にグリーン・ベルト・ムーブメント(のちのアフリカン、グリーン・ベルト・ネットワーク)を設立して土壌の浸食と砂漠化を防止する植林活動を開始し、アフリカ大陸全土で植林活動を行い、民主化や持続可能な開発の推進に取り組んでいます。
彼女の生い立ちから、植林運動を始めた動機、そしてその活動の輪がアフリカ大陸全土へと広がって行く様子が絵本になっています。
ワンガリは木の葉が生い茂り、緑の傘のような、ケニア山のふもとに住んでいました。
料理に使う薪を近くの森で拾ったり、サツマイモ・サトウキビ・トウモロコシのたくさんの畑の実りを取り入れる母親を手伝っていました。
学校の成績が良かったワンガリは、奨学金制度でアメリカへ留学しました。
6年後、ケニアへ戻って来ると、ふるさとの村の暮らし、特に女性たちの暮らしがすっかり変わってしまった事に気づきます。
それは、9本の苗木から始まりました。
村の女性にも「木を取り戻せば、私たちの暮らしはもっと良くなります。一緒に希望の種を植えていきましょう。」と苗木をあげました。
せっせと植える女性たちの姿を、「門外漢が」と嘲笑するお役人等の声も気にせず、植え続けました。
ワンガリの村に緑が戻って来たという話が、ほかの村や町に伝わって……。
ワリンガの強い意思に感動しました。
女性の地位が低い社会の中で、懸命に戦った女性といえると思います。
ワリンガの呼びかけに呼応し、植え続けた女性たちの根気強さにもまた驚き感動しました。
豊かな緑の記憶のある彼女たち故に、この植林活動が成功したのだと思います。
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コミカルなのに、詩的で綺麗な表現
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投稿日:2010/04/09 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子11歳
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表紙絵から笑いは始まりました。
上方落語「月宮殿星の都」からの出典です。
作者の桂文我さんは、平成の今日では、舞台に掛けられることのなかったネタや、稀にしか上演されなくなってしまった珍品を新たに仕立て上げる作業に精力的に取り組んでいらっしゃる方だそうです。
このお話しも「地獄八景亡者の戯れ」的なノリで 新たな仕立てになさったお話しだそうです。
大うなぎを釣り上げてそのまま中天まで引っ張られ、置き去りにされたとくべえさん。
かつて助けたカミナリのごろぞうさんに歓待させれます。
虹のそうめん。 あられのみぞれ和え。 はるさめのしぐれ。
想像するだけで綺麗だろうなと思いましたが、しっかりシャレもきいています。
さてさて、ちょうどこの日は月宮殿というお屋敷のお祭りの日。
しっかり変装し、仕上げに夕焼けの赤い粉をまぶして、ごろぞうさん一家と祭り見物に。
お屋敷の王様とお后様に差し出されたのは、下界の人間のたちから取ってきたおへそがこんもり。
これを目撃した、とくべえさんはごろぞうさんの力を借りて、人間たちへ返してあげる策を練ります。……。
状況はコミカルなのですが、おへそを返す表現はなんとも詩的で綺麗な表現です。
落語だということを忘れそう。
下界の人間の「おへそがかえってきたぁーっ」の声が聞こえるくだりで、そうそうこれは落語だと気持ちを戻されます。
絵本ならでは出せる臨場感が、お話しを聞くこどもたちを喜ばせそうです。
表紙だけでもご覧になってみてください。
思わず開きたくなりますよ。
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文字通り立ち上がったんです
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投稿日:2010/04/09 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子11歳
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ベスコフさんならではの落ち着いた文体とリアリティに迫る描写。
《魚はたいてい、じぶんのおとうさんやおかあさんがだれなのか、わからないのです。》
に、『え?それはそうだけれど、そんな現実的な事を書いちゃってこの先どうなるのやら?』と思ったら、周囲の魚が見守ってくれていました。
知りたがり屋のスズキの子スイスイには、テンテンおばさん(鰈)・ピカピカおじさん(鯉)・ガミガミおじさん(川梭子魚)が育ての親のようです。
ニンゲンを見てみたいスイスイ、ついにトーマスに釣られてしまいます。
この後どうなるのかと思ったら、「だいじょうぶだよ。すぐにガラスの水槽に入れてあげるから。…!」にホッとしました。
どうやってスイスイが湖に帰れるのか考えながら読み進めました。
おじさん・おばさんがスイスイ救出に立ち上がります。
文字通り立ち上がったんです。
これだけ、写実的な描き方のベスコフさんが、魚を歩かせました。
笑いよりも先に驚きました。
終盤のトーマスのおよぎの練習も、かえる直伝というのが微笑ましい。
ガミガミじいさんの最後の言葉に息子はうけていました。
トーマスとスイスイはこの湖でこれからも遊べそうですね。
何があっても、プクプクバーバが力を貸してくれるでしょうから。
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考古学大好き少年少女にはたまらない作品
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投稿日:2010/04/09 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子11歳
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考古学大好き少年少女にはたまらない作品です。
主人公の少年は、タイムスリップして石器時代へ。
最初に出会った女の子オムに連れられ彼女の家族のところへ。
彼らの衣食住を観察し、共に生活し狩猟に参加し石器の作り方や槍の投げ方も教わります。
動物の皮を鞣し干すことも覚えます。
料理まで作れるようになります。
当時の生活を詳しく説明した図鑑のようなページを息子は熟読していました。
シカを射止めた夜の宴のページに、「この頃は『時間だから寝なさ〜い。』なんてことも無かったんだろうね。」と家族をあげてのお祭り騒ぎを羨ましそうに眺めていました。
ラスコーやアルタミラの洞窟壁画に魅せられたきたむら先生ならではのお洒落なエンディングに、ふふっと笑いがこぼれてしまいました。
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偉大なムーンパイの王様がタイプです(笑)
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投稿日:2010/04/08 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子11歳
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かつて『スパイダーウィック家の謎』シリーズに夢中だった息子を驚かせようと借りてきました。
タイトルのムーンパイなるものが実在するのか、3年程アメリカに住んでいた夫に聞いてみたら、ポピュラーな子どものおやつとのこと。
20世紀前半、炭鉱夫さんたちの要望にかなったチープな食品としてスタートしたものだそうです。
扉絵のムーンパイのパッケージの“Made from the Moom!”に笑ってしまいました。
ジミーは夕食前に、ムーンパイをママにねだります。
クッキング中のママの持っている木べらにくっついている豆の煮込み(かな?)がボトリと落ちそうで気になりました。
ママの答えはもちろんNO!
ぶつぶつ文句を言いながら、“ひみつののりもの”に乗り込んで、「月へいって、ぼくだけのムーンパイをとってこられたらいいのになあ。……。」なんてことを言っていたら……。
偉大なムーンパイの王様に、この上なく親しみを感じてしまいました。
タイプです(笑)。
お月様がこんなに表情豊かに描かれた絵本にはあまりお目にかかっていません。
それにしても、ジミーは随分遙か遠くまで飛んじゃいましたねぇ〜。
よっぽど食べたかったんだろうな〜。
「ミルキーウェイのミルクは網ですくえるんだ〜。」と息子。
怪獣グリグラのゲップのエアーバルーンには参りました。
火星人がお裁縫が得意とは、親子で吹き出してしまいました。
ジミーの旅した世界を一緒に覗けて楽しかった。
ラストのジミーの“ニヤリ”もカワイイ〜〜〜♪
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「唇を火傷しないかね〜?」
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投稿日:2010/04/06 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子11歳
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『絵かきさんになりたいな』のトミー・デ・パオラさんの作品です。
こちらのレビューで知り、手に取ってみたら表紙絵から面白そう。
読んでみて、『まほうのなべ』と『魔法使いの弟子』を合わせイタリア風に作られた作品という感想です。
司祭や修道女も頼るほどのノナばあさんの不思議な力も魅力的。
独りでにパスタを茹で上げてしまう鍋も楽しい。
その呪文が、また良い。
うっかり者でおしゃべりで、ばあさんとの約束を反故にしてまで、鍋の真実を証明しようとするあたり、人生の修業が足りないアンソニイも憎めません。
読み進め予想通りの展開に、ノナばあさんは怒るだろうな〜と思ったら、とてもふさわしいアンソニイへのお仕置きに、最後まで愉快に笑えました。
息子が、読後「唇を火傷しないかね〜?」と笑っていました。
ははは、お腹がいっぱいになりました。
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江戸弁も勢いがありテンポが良い
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投稿日:2010/04/04 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子11歳
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落語好きの息子が見逃すはずがありません。
噺の内容は百も承知ですが、新刊と言うことで手に取っていました。
上方落語の言い回しも魅力的ですが、江戸弁も勢いがありテンポが良い。
道具屋主人の甚兵衛さんとおかみさんの掛けあいがいい。
商売上手とはあまり言えない甚兵衛さんを、おかみさんが徹底的にやり込める前半と、三百両を目の前に狼狽えるおかみさんの様子が絵的に見ても面白い。
「この人の絵、好きだな〜」と息子。
店に並べられた古道具の中に、ロボットやらウルトラマンも並べられていて、「なんで〜」ってうけてました。
おジャンになる(終わってしまう・全てダメになってしまう)の語源が半鐘の音だそうで、ダジャレならずとも笑えるお話しです。
これは、一度お話し会で読んで見たい。
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知的好奇心を刺激してくれる良書
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投稿日:2010/04/04 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子11歳
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息子好みの科学絵本でした。
重力について、身近な話から、重力存在の未解明の現状までが紹介されています。
地球の重力がどのような働きをしているのか、感覚的に理解できるような絵本です。
息子は、“地球の中心に向かって穴を掘ったらどうなるだろうか?”のページで、最早とりこでした。
後半の地球以外の天体にも重力があること、その大きさが天体によって異なることにも「へ〜〜〜〜〜」。
巻末にも釘付けでした。
ははは、同じ地球上でも場所によって、重力の大きさが微妙に異なることを知り、ヘルスメーターを持って世界を旅したくなりました(笑)。
物理学の面白さや科学の未解明の部分の存在に触れ、こどもたちの知的好奇心を刺激してくれる良書だと思います。
5・6歳から読んであげられると紹介されていますが、感覚的・具体的イメージを抱ける、小学中学年位から私はお薦めします。
もちろん中学生から上限無く楽しく考え学べる絵本だと思います。
侮る無かれ絵本!っていう気持ちで、親戚の中学生に薦めてみます。
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きっと誰にもある気持ち
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投稿日:2010/03/30 |
モジョ魔女さん 40代・ママ・東京都 男の子17歳、女の子15歳、女の子10歳
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五年生の学年読み聞かせで読みました。この年頃って、親やともだちには言えないモヤモヤしたものがたくさんあって自分でもどうすることも出来ないままでいる事が多いと思うんです。そんな気持ちを上手に片付けてくれる第三者の存在って大切だなと思いました。子どもはもちろん、子育て中の親が読んでもジーンとするお話です。
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リアルな生態に迫る撮影のため
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投稿日:2010/04/04 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子11歳
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タイトルに???
表紙絵を見て、え゛〜〜〜?
思わず開いてみたくなりました。
ノンフィクションです。
お話しは、19世紀半ばも過ぎた頃〜後半でしょうか。
イギリスロンドンでは、蒸気機関車・電話・電灯の普及で話題もちきりの時代です。
ヨークシャーの農家の二人の兄弟、リチャードとチェリー。
村の学校に通い、牧場のヒツジ番をし、丘を上り下り、自然の中ゆっくりじっくり色々なものを眺め、生き物が作る形や動きの見事さをたっぷりと見つめ育ちました。
ヨークシャーの野山には、二人の男の子がわくわくする素晴らしい発見がたくさんありました。
長じて、兄のリチャードが、4年後父の死もあり弟のチェリーも15歳でロンドンへ働きにでます。
賑やかでごった返すロンドンの町に魅力を覚えぬ兄弟が、思いを馳せるのは、幼い頃のふるさとの野山。
週末になると、二人はできるだけ田舎に住む友人宅へ遊びに行くようなります。
ある時弟チェリーはカメラを携え、……。
一枚のツグミの巣の写真から始まります。
兄は弟の見事な写真に、もっとたくさん撮ってみてはと、兄弟共に時間をやりくりし、兄弟で撮影に出かけるのです。
望遠レンズや遠隔操作機のないこの時代です。
さらに、彼らは鳥たちのリアルな生態に迫る撮影のため、鳥たちを怯えさせたり驚かせたり生活のじゃまをしないよう、様々な「かくれみの」に工夫を凝らし、たくさんの名ショットを撮り続けます。
この「かくれみの」の徹底した工夫に、時に笑いながらも親子で驚きました。
この情熱の傾け方は、他人には思い及ばぬ“彼らが望むしっくりとした幸福感”を充たすものだったのでしょう。
科学的発明と進歩発展の予兆が感じられるこの時代、彼らのなした偉業は、“自然を守り愛する事”を忘れぬよう、彼らなりのスタイルで、人々に伝えた説得力のあるものです。
巻末の写真で、改めてそう実感しました。
「かくれみの」は、狩猟のためではなく、野生の生き物の暮らしを守り敬うためのものであるというチェリーの信念に、息子は感動していました。
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無垢で慣習や規格に捕らわれぬ自由な発想
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投稿日:2010/04/03 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子11歳
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タイ王国チェンマイのサンカムペン地区のボーサン村がモデルでしょうか。
タイの山間に何百年もの間、傘を作り続けて来た村がありました。
毎年お正月に、村一番の絵付けをした女性が「かさの女王さま」に選ばれ、その人を先頭に傘行列がおこなわれます。
主人公のヌットは、「かさの女王さま」にとても憧れていました。
ヌットはお母さんに、絵付けの作業をしてみたいと申し出ます。
生計のかかっている事ですが、お母さんはチャレンジさせてみます。
私にはとてもできない冒険です。
「学ぶ」とは、「真似ぶ」とよく言いますが、ヌットはお母さんの技法を見よう見まねで見事に仕上げます。
普段から、親の仕事をそばで見てきたのでしょう。
また、絵の才能もお母さんから受け継いでいるのでしょう。
いよいよ、幼いながらも本格的に絵付けの作業を任されることになったヌットは、絵付けの約束である花でもチョウでもない絵を描いて…。
ヌットの描いた絵が素敵でした。
子どもならではの無垢で慣習や規格に捕らわれぬ自由な発想。
いえいえ、それだけじゃない。
本当に描く事が好きで、夢中だったのでしょう。
私にも、とても素晴らしい傘に思えました。
ひょんなことから王様の目に留まり、幼いながら絵付け師として最も大切な“対象を愛している”ということで賞賛される結果に。
読後再び表紙絵を見て、温かい気持ちになりました。
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中学年くらいのおこさんからお薦め
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投稿日:2010/03/31 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子11歳
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お月様がタイトルの絵本は数多くあります。
どの作品も、比較的優しくおっとりやんわりのイメージのお話しが主だと思います。
この表紙絵の怒り睨みつけ憤りを表に出した怖いお月様の表情は、敬遠される方も多いかもしれません。
中学年くらいのおこさんからお薦めした方が良いのかも。
異文化に触れる好機になるとおもいます。
さて、お話しは、 アラスカ南部に住む、北アメリカインディアンの一部族、トリンギット族に伝わる昔話を翻案したものだそうです。
『バーバ・ヤガー』で絵を担当したブレア・レントさんのこの作品の絵は、また異なる画風です。
ルーパンという男の子とラポウィンザという女の子が、仲良く日がな一日手作りの弓矢で遊んでいました。
ある夏の夜のこと、月を見上げて、不用意にもラポウィンザの発した月を揶揄する一言で、彼女は月に捕らわれてしまいます。
このページの幻想的な絵に惹かれ、お話しに夢中になってしまいました。
ラポウィンザ奪還のため、大冒険に立ち向かうルーパンの勇ましさが頼もしい。
矢でできた鎖のページにも驚きました。
天上へ昇っていく途中の食料調達も面白い。
空の国のおばあさんに助けられ、ラポウィンザを取り戻し月から逃げ切るまで手に汗を握る思いです。
絵本ながら、この一冊でこどもたちは幻想的な大冒険を疑似体験できると思います。
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