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11歳

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★5  小さなこころがいじらしい 投稿日:2009/09/23
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県  男の子11歳
ぼくがおっぱいをきらいなわけ
ぼくがおっぱいをきらいなわけ 作・絵: 磯 みゆき
出版社: ポプラ社
 とにかくプリプリしています、主人公の男の子。
 おっぱいが、きらいなんだそうです。
 おっぱいのむのも、さわるのも、赤ちゃんのすることだそうです。
 牛のおっぱいは、おなかかむねかわからない。
 おとうさんのおっぱいは、毛が生えている(息子が大笑いでした)。
 ねこのミーコに飲み過ぎを注意するあたりから、あれれ〜?
 柔らかくて、温かくて、いいにおいだから、せっかく我慢していた○○○が出ちゃって、…。だから、おっぱいがきらいなんだそうです。

 弟ができて、おかあさんのおっぱいを占領されて、『もうお兄ちゃんなんだから』と自分に言い聞かせ、おっぱいをさけていた小さなこころがいじらしいです。
 絵もクレヨン画のようで、さらに文字もクレヨンで書かれているようです。主人公の男の子の、書いた絵本という感じが良いですね。
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★5  なーるほど そういう こと ですか 投稿日:2009/09/23
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県  男の子11歳
でっこりぼっこり
でっこりぼっこり 作: 高畠 那生
出版社: 絵本館
 この地球に巨大人?
 その足跡?
 足跡なら、へこむでしょうと思ったら、なーるほどそういうことですか。
 足跡の使途は、多種多様で、「ウフッ」です。
 でも、巨大人が地球を半分回ってきて、…。
 へこんだところが、戻ったとたんのページで「ワハハハ」でした。

 大人のための絵本といえるかもしれません。
 絵もポップな感じで、味があります。
 11歳の息子には理解できる世界のようで、最後まで大笑いでした。
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★5  子どもの夢に共感そして受容 投稿日:2009/09/23
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県  男の子11歳
おおきな きが ほしい
おおきな きが ほしい 作: 佐藤 さとる
絵: 村上 勉

出版社: 偕成社
 かおるくんの家の庭は狭く、ちっぽけな木が三本。
 庭をながめつつ、かおるくん、おおきな木が欲しくなります。
 かおるくんの想像する木は、自然との共生を実現する素晴らしいもの。
 想像の設計図を描き上げ、おとうさんに話したら、おとうさんも共感してくれて木を植えることになります。
 かおるくんの大きな木への憧れと夢が、どこまでも限りなく具体的で、読者を引き込みます。
 春夏秋冬、そこで暮らす生活を思い描くページも美しい。
 右横開きで始まり、想像の木を描くページは縦開きで工夫されています。
 とてもステキだと思ったのは、かおるくんの話を両親が聞いてその憧れ(夢)を一蹴せず、受け入れ理解している姿勢です。
こんな、受けとめ方ができる両親だから、かおるくんのイマジネーションの世界は、深く広がっていけるのでしょう。
 扉絵の、星空の下、大きな木の上のかおるくんの家が美しく、あの植えた木で、かおるくんが作ったものかしらと読み返し思いました。
 見返しを息子は見直して、大きな木で作ったったかおるくんワールドの設計図を楽しんでいました。特に、ほらあな(木の中の空洞部分)の中のはしごが気に入っていました。
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★5  人間の弱い部分 投稿日:2009/09/20
とむままさん 40代・ママ・三重県  男の子13歳、女の子11歳
赤い蝋燭と人魚
赤い蝋燭と人魚 作: 小川 未明
絵: 酒井 駒子

出版社: 偕成社
大好きな小川未明さんの代表作の「赤い蝋燭と人魚」が酒井駒子さんの絵が入り絵本になってとてもうれしいです。

小学校のときに読んで人間ってずるい!!って泣いてしまった思い出がります。

古い童話はなかなか読まれないのでこうして新しくなっていくと今のこどもたちの手にとってくれるのでは・・と思います。

人間のよわさ、母親の愛情の深さ・・など心にしみるお話です。
たくさんの人に読んでほしいです。
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★5  運転中の夫は落語感覚で 投稿日:2009/09/22
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県  男の子11歳
かえるをのんだととさん
かえるをのんだととさん 作: 日野 十成
絵: 斉藤 隆夫

出版社: 福音館書店
 皆さんの評価も高いので、一度読みたいと思っていた一冊です。
 図書館で、やっと借りられ「あっ、これヘビのところでやめちゃった絵本だ。」と思い出しました。
 今回は、気を入れて読みました。
 もはや感性の曇っている私には、へんな想像力が邪魔をして先へ進めなかった作品でしたが、やはり楽しい昔話でした。
 
 ととさんのかかさんだのみの気弱さ。かかさんの和尚様信仰。この繰り返しだけでも笑えますが、飲んだものの違和感をあらわす擬態語が楽しいです。そして、こちらも飲んだらそんな感じがすると思えてくるからさらに楽しいんですね。
 飲むものが、じゃんじゃんエスカレートしていって、『どうなるの?』と読者を本当に最後まで惹き付けます。

 これは、節分の季節にぴったりかもしれませんね。
 車で移動中、息子に読みましたら、運転中の夫にもうけました。
 落語感覚で、夫は楽しんでいたようです。
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★5  なんで、わろ(笑)うてもらうの〜? 投稿日:2009/09/22
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県  男の子11歳
たぬきのおつきみ
たぬきのおつきみ 作: 内田 麟太郎
絵: 山本 孝

出版社: 岩崎書店
 家族で書店に立ち寄り、最後に絵本コーナーへ。
 読んだ記憶のない作品。
 山本先生の絵なので、手に取りました。

たぬきやまから、見下ろす豊年万作の風景。
 「ええのう」「たまらんのう」の方言に、イチコロ。
 『ぬ〜くぬく』を思い出し、即レジへ走りました。

 さては、たぬきめが悪さをするのかと思いきや…。
 お米を無断でおすそわけしてもらい、おいももついでに頂いて、へんてこな念仏をとなえ、お地蔵さんからまで…。
 おめかしをして、おつきさまにお礼と歓待?????
 『ちょっと、ちょっと〜、お礼はわかるけど、なんで、わろ(笑)うてもらうの〜?』
 でも、笑ってしまいました。私も息子も、おつきさまも。
 たぬきたちのおかげで、村の衆はこの夜、素敵なおつきさまの笑顔を楽しめたでしょうね。

 のどかな田園風景、おとぼけキャラのたぬきたち、だんだん笑いの風船が膨らんでくるユーモラスなストーリー展開で、この一冊にノックアウトされてしまいました。
 3・4歳のお子さんから楽しめると思います。
 息子と笑い転げていたら、夫が、あきれ顔で苦笑いしてました。
 今夜、絶対薦めます。
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★5  情熱で世界を制した男の姿 投稿日:2009/09/22
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県  男の子11歳
綱渡りの男
綱渡りの男 作・絵: モーディカイ・ガースティン
訳: 川本 三郎

出版社: 小峰書店
 実話です。
 若きフランス大道芸人フィリップフティー。
 ノートルダム大聖堂・シドニーハーバーブリッジ等、有名建築を綱渡りで制覇し、逮捕歴500回以上。
 彼が、狙いを定めたのが完成間近の世界貿易センターのツイン・タワー。
 1974年8月7日。
 地上400メートルの高さにロープが張られ、彼はまた渡った。
 
 絵本の中で、彼がかなり用意周到に作戦を練り、思いを遂げたことが描かれています。
 息子は前のめりになりながら、仕掛の部分を開いて聞き入っていました。
 「え゛〜」「ひょお〜」「うわぁ〜」とか声を出しっぱなしでした。

 ここまで来れば、“世紀の芸術的な犯罪”と呼ばれ賞賛されるのも納得です。
 情熱で世界を制した男の姿は、人々の心を感動で揺さぶるものがありますね。
 あのツイン・タワーは、このような素敵な感動を持って記憶に残されてもいるのだと知り、少し救われた気がします。
 最後に、今回の処罰が洒落ていて、ほんとに良い話に出会えたと思いました。
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★5  お風呂でもトイレでも 投稿日:2009/09/22
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県  男の子11歳
柿くえば鐘が鳴るなり
柿くえば鐘が鳴るなり 作: 齋藤 孝
絵: 江口 修平

出版社: 草思社
 世界で一番短い詩の形式、それが俳句。
 なんの先入観もない年頃に、名句に出会うことも楽しいかと思います。
 楽しい挿絵と解説付きなので、親も一緒に学び直せます。
 
 “いい句は、誰にでも情景が浮かんでくる。そんな風景を見たことがなくても、どこか夢の中ででも見た気がする。それを覚えてしまい、何度か呟いているうちに、そんな経験をしたことがあるような気になってくる。それが言葉の力だ。”という解説になるほどなぁ〜と、あらためて言葉(やっぱり日本語)は素晴らしいと思いました。
 
 季語探しも力を入れ過ぎず、楽しく家族で、今(秋)の句を作って見るのも、芸術の秋の素敵な過ごし方かもしれません。

 我が家は、7歳で与えてみましたが、はじめ興味を示さなかったので、『早かったかな〜?』と思っていたら、後日、一人で読んで覚えた句を繰り返し、お風呂でもトイレでもうなっていました(笑)。

 昨日、久々に私が出していたら、「お〜、俳句じゃ俳句じゃ。この本良かったよね。」と一言。戻ってきて、「絵も面白いって、レビューに書いておいて。」と二言目。
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★5  『え゛っ、左手?左手で描いたの〜?」 投稿日:2009/09/21
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県  男の子11歳
パパといっしょに
パパといっしょに 作: イ・サンクォン
絵: ハン ビョンホ
訳: おおたけ きよみ

出版社: アートン
 紅葉する木の下に寝てる父娘の表紙絵。
 『うわ〜、いいなぁ〜』って思って手に取りました。
 よ〜く見たら作者は、韓国の方。
 韓国ソウルの秋でした。
 ソウルは中心部に南山をそして、四方をいくつもの山々に囲まれた地形を特徴としています。
 つまり、大都市の中に山があるのです。
 韓国の人は山に登ることが好きで、週末の山は家族連れで賑わうそうです。
 都会の日々の喧噪さから解き放たれて、ここで過ごす時間は、ソウル市民のこの上ない憩いのひとときなのでしょう。
 
 主人公のソリちゃんとパパが、山遊びをする姿が、とても微笑ましいです。
 パパも本当に楽しんでいる。ソリちゃんも体一杯遊んでいる。それが伝わってきます。
 最後のページの山と都会の建物の密集群のコントラストには驚きました。
 もっと、驚いたのは、絵を担当したハン・ビョンホさんが、“子どもの心の開放感と自由な躍動”を表現するために、ほとんどの絵を左手で描いたことです。
 故に、この親子の楽しい思い出の絵日記的な空気が、作品の中に流れているのだと思いました。
 
 「山が大都市の真ん中にあるなんて、いいな〜。勉強しながら、働きながら、季節がいつも見えるんだね。それなら、大都市暮らしもいいかも。」と息子。
 さらに、「え゛っ、左手?左手で描いたの〜?」と叫んでいました。
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★5  こどもが うれしいと おやは うれしい 投稿日:2009/09/19
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県  男の子11歳
きつねのでんわボックス 絵本版
きつねのでんわボックス 絵本版 作: 戸田 和代
絵: たかす かずみ

出版社: 金の星社
 こぎつねを失った母ぎつね。
 泣いて泣いて、喪失感で一杯のある日、遠くにぽつんと見える小さなあかり。
 近づいてみると、電話ボックス。
 ボックスの中に人間の男の子。 
 亡くなったわが子とオーバーラップし、目に映ります。
 それから、毎夜電話ボックスにあかりがともるころ、
 遠くで療養中の母親に電話をかけに来る男の子の様子をながめます。
 ある夜、電話ボックスにあかりも無く、取り外されることを知った母ぎつねは……。
 
 前半、可愛らしいこぎつねと母ぎつねの 幸せそうな様子に心があたたまります。
 “子どもがうれしいと、親はうれしい”というフレーズが頭に残っていました。
 男の子が母親と話す「かあさん、あいたいな……」の言葉を聞いた母ぎつねが、こぎつねに答えるように「ええ、かあさんもよ。」と心の中で囁くシーンが、泣けました。
 電話ボックスに姿を変え、男の子と会話する所は何とも切なくて、我が息子は、神妙な顔で聞いていました。
 男の子との出会いが、母ぎつねを癒し、再び生きる前向きさを取り戻していく終盤も素晴らしい。
 母ぎつねが受話器を取り、こぎつねに話しかけるシーンは、希望が見えてきます。
 最終ページも美しい終わり方だと思います。

 涙涙で、絵がにじんで見えますが、優しい色使いと、霞がかかったような淡い(パステル?)画法は、このファンタジックなストーリーを引き立たせてくれています。
「泣かせられてしまった〜。」と息子は、ニコリ。
 お子さんだけではなく、お母さんにお薦めしたい一冊です。
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★5  月の あかり色の 輪郭が 美しい 投稿日:2009/09/17
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県  男の子11歳
おつきさまとあそんだよる
おつきさまとあそんだよる 作・絵: 神山ますみ
出版社: 講談社
 森の公園で遊んでいたこぐまくん。
 日が沈み、暗くなってくると友だちはみんなお家へ。
 もうちょっと遊びたい気分のこぐまくんに…。
 ぶらんこをこぐまくんがこぐと、こぐまくんと一緒に前へ、後ろへ。
 なかでも、木のすべりだいを滑りおりていくこぐまくんと一緒のおつきさまの動きのシーンが、本当に楽しそう。
 月あかりに照らされた、こぐまくんや景色のあかり色の輪郭が美しいんです。
 こぐまくんを家まで送ってくれたおつきさま、これでお別れかな?と思ったら、なんて素敵なエンディングでしょう。
 ほのぼのとしたお話で、お月様がついてくる経験のあるこどもたちだけではなく、お月様が好きになるこどもたちが、また増えそうな一冊でした。
 エンディングに、「いい時間だね〜。」とお父さん的発言の息子でした。
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★5  ほんとうの ものを みつけて いくのだ 投稿日:2009/09/16
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県  男の子11歳
教室はまちがうところだ
教室はまちがうところだ 作: 蒔田晋治
絵: 長谷川 知子

出版社: 子どもの未来社
 2学期も始まり、こどもたちの学校生活も再び軌道に乗るこの時期ですが、学齢が上がるに従って、授業中の発言・発表を躊躇し始める子が、ぽつりぽつりとでてきます。
 それぞれの性格ですから、わかっていても挙手できない子もいますし、わからないけれど、条件反射的に「はいはい」と言っている子もいます。
 問題は、わからない、自信が無いから挙手しない子たちです。
 先生が上手に気づいて、発言の場を作ってくださる場合は良いのですが、なかなか目は行き届きません。
 
 息子が1年生の時に、「朝の読書の時間」に読む本を一冊もっていくことになり、この本をもたせました。
 放課後、先生からお電話を頂き、少し貸して欲しいとのこと。
 後日図書館にも入りました。
 昨年は息子の学年ではありませんが、群読の形で「学習発表会」で、2年生全員で、ステージ発表していました。

 “神様でさえまちがう世の中
 ましてこれから人間になろうとしているぼくらがまちがったって
 なにがおかしいあたりまえじゃないか”

 このページが、とてもステキだと思いました。

 息子は、「ここ、好きだったよ。」
 “まちがった意見をまちがった答えを
 ああじゃないかこうじゃないかと
 みんなで出しあい言いあうなかでだ
 ほんとうのものを見つけていくのだ
 そうしてみんなで伸びていくのだ”
 
 と、読んだ後、
 「おれはねるのだ!」と二階へ上がりました。
 1・2年生の頃に、勧めてみてください。
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★5  軍事政権体制下の民衆の生活 投稿日:2009/09/16
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県  男の子11歳
ペドロの作文
ペドロの作文 作: アントニオ・スカルメタ
絵: アルフォンソ・ルアーノ
訳: 宇野 和美

出版社: アリス館
  主人公が9歳ということなので、中学年以上の方にお薦めします。
 1973年チリで起きた軍事クーデタをベースに書かれた作品です。
  
 反戦(反独)を訴える作品ですが、大人も含め軍事政権体制下の民衆の生活というものが、いかなるものかを知る上で、貴重な一冊だと思いました。
 
 日常の中に、ひたひたと、きな臭いにおいが立ちこめて、大人たちの狼狽の中、こどもたちも考えずにはいられなくなる非常事態。
 ペデロは、チリの9歳の少年。
 サッカーが好きで、愛する両親と暮らしています。
 軍事クーデタが起こり、友だちの親が“独裁反対”をとなえたかどで、日常の真っ昼間、仕事着のまま軍人に連行されていきます。
 ペデロの家では、夜、口数も少なく両親が遠い外国の周波数に合わせ、ラジオ放送に聞き入っています。
 友人の親が連行された夜、お母さんは泣いていました。
 翌日、学校に軍人が現れ、『我が家の夜のすごしかた』というタイトルの作文を書かせられます。
 こどもの口から親の反独裁因子をさがしあてようとする画策か、なんとも卑劣な行為だと思いました。
 ペドロの作文を読んで、このような嘘を書いて親を守らなければならないなんて、なんて悲しいことだろうと思いました。
 ペドロのように機転のきく子でなければ、真実を書いて親が連行され、自分の作文が理由だったとわかったら…。想像すると、その子の人生がねじ曲げられてしまうようで、やりきれません。
 嘘を諫める事もできず、父親が「こんど、チェスを買ってこなくっちゃ。」と笑っていう一言を読んで、胸が苦しくなりました。
 “純粋な子どもの心”まで利用するものは、戦争であれなんであれ許されるものでは無いと思います。
 
 「卑怯、卑怯、ひきょう〜、でも怖い!」これが息子の一事です。
 お子さんが小さい方は、ご家族にもご一読をお薦めします。
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★5  本好きな読者をにんまりとさせる事でしょう 投稿日:2009/09/15
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県  男の子11歳
ねえ、ほんよんで!
ねえ、ほんよんで! 作・絵: レイン・マーロウ
訳: 福本友美子

出版社: 徳間書店
 表紙絵に、『おや、うさぎとかめさんだ。って、ことは〜…』と思いました。

 前半、せっかちうさぎくんとのんびり(ゆっくりじっくり)かめくんのお定まりのパターン。
 わかっていても、かめくんが気の毒です。
 こんなに性格が違うのに、仲良しなのが面白いですね。
 でも、ある日うさぎくんにかめくんが、本を読んであげると…。
 
 本の魔法にうさぎくんもかかったのでしょうか。
 うさぎくんの口から、つと出るセリフが、本好きな読者をみんなにんまりとさせる事でしょう。
 
 絵が柔らかく優しいタッチです。
 おはなしもほんわか、絵もほんわかで、素敵な一冊だと思いました。

 『うさぎとかめ』のお話を知っているお子さんに読んであげてはいかがでしょうか。
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★5  お父さん贔屓なのがわかります 投稿日:2009/09/15
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県  男の子11歳
きょうはみんなでクマがりだ
きょうはみんなでクマがりだ 再話: マイケル・ローゼン
絵: ヘレン・オクセンバリー
訳: 山口 文生

出版社: 評論社
 子どもの遊び歌がベースの絵本だそうです。

 お父さんとこども4人が、クマ狩りに。
 クマ狩り?ん?
 そうか、そんな勢いで元気よく冒険ごっこをするお話か、と読みました。
 お母さんはあまり歓迎しない冒険の数々。
 草滑り、川渡り、ぬかるみ歩き、…、…。
 お父さんならではのダイナミックな冒険。
 こどもたちがお父さん贔屓なのがわかりますね。
 クマが、ヌッと出てきて、「え゛〜〜〜。」。
 読んでる私たちも、必死に逃げてる気分を味わいました。

 冒険の数々を逆走するコマ割が、スピード感を出しています。
 最後のページは、「そんなびしょ濡れ、泥んこで、そんなとこにもぐらないで!」と叫んでしまいそうになった私は、嫌われお母さんですね。
 
 遊び歌なので、とてもリズミカルな文。
 6歳当時の息子は、

 “うえを こえては いかれない。したを くぐっても いかれない。”

 がお気に入りでした。
 昨夜、読み返し、見返しの哀愁あふれるクマの様子に、「残念そうな後姿だね〜、遊びたかったんだろうな〜、ふふふ。」
 子供たちが、生き生きと遊び楽しんでいることがよく伝わってくる躍動感あふれる一冊です。

 言葉を楽しみ、絵を楽しんでください。 
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★5  かみさまのヘアスタイルが最高! 投稿日:2009/09/15
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県  男の子11歳
こうえんのかみさま
こうえんのかみさま 作・絵: すぎはら ともこ
出版社: 徳間書店
 見返しは、ひろ〜い公園。
 扉絵は、元気パンパンの女の子が家の玄関から飛び出してきました。
 主人公は、このやんちゃなまあちゃん。
 4・5歳くらいかしら?
 まあちゃんは、お隣のちょっと大きいけんくんが、大好き。
 けんくんは、まあちゃんに「遊ぼう」といわれても、…。
 けんくんと遊びたいまあちゃんは、一人前に相手をしてもらえるようおかのうえの公園で、虫取りに精を出します。
 初めての、虫取りに悪戦苦闘し、ラッキーなことに…。

 公園の神様のネーミングが、ちょっと笑えます。
 キャラクターは、泣き虫で、面白いヘアスタイルで、最初に登場したページで大笑いです。
 
 公園の神様の言うことを信じたまあちゃんが、無垢で可愛らしいです。
 約束を守った神様も、「やっぱり神様、りっぱりっぱ!」と声をかけたくなりました。

 なんてったって、まあちゃんの、表情が生き生きとしていて、元気をもらっちゃいます。
 ほかの作品も読んでみたいと思いました。

 息子は、神様を指さしたまま、笑い続けていました。
 11歳でもうけたみたい。
 3・4歳頃から楽しめると思います。
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★5  「ははもタラがすきだよね〜 投稿日:2009/09/15
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県  男の子11歳
タラがだいはっせいしたら
タラがだいはっせいしたら 作: 北島光茂
絵: 大橋 重信

出版社: くもん出版
 タイトルを見て、魚大好き少年のお話かなと思いました。
 
 読んでみて、反省反省、大反省させられました。
 何気なく使っている「……タラ」。
 主人公の男の子もタラがお腹いっぱいに詰まって、ついにはパンク。
 魚屋さんのおじさんの言葉が、私の胸に突き刺さりました。
 お腹がパンクした主人公にかけよるお母さんの一言が、涙を誘うはずなのに、笑ってしまいました。

 主人公の小さな胸の内を身近に感じられる素敵な絵、文もシャレがきいていて楽しいです。
 小学校低学年くらいから読めると思いますが、お母さんにも是非読んで欲しい一冊です。

 「ははもタラがすきだよね〜。」と皮肉っぽい息子の感想でした。
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★5  圧巻 投稿日:2009/09/15
バオバブさん 30代・ママ・兵庫県  男の子10歳、男の子8歳、女の子6歳、女の子2歳
いちねんのりんご
いちねんのりんご 作・絵: 菊地 清
出版社: 冨山房
 はじめはいろんな色がわかり始めた2歳の娘と読もうと手に取りました。「すごい!素晴らしい!!」と私の方が大興奮、小学生の兄たちにも見せまくりました。高学年、おとなもOKの絵本です。
 一枚の紙から切り出されたりんごが、その季節の代名詞とも思えるものへ変わっていきます。1「月、2月は「へえ、ふうん、よくできているなあ」程度だったのが、月を増すごとに緻密さが増していきます。この感動はみなければ伝わりません。必見の価値あり!久しぶりにつぼにはまった絵本でした。
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★5  プレゼントは自分がもらっても嬉しいものを 投稿日:2009/09/12
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県  男の子11歳
こねこのチョコレート
こねこのチョコレート 作: B・K・ウィルソン
絵: 大社 玲子
訳: 小林 いづみ

出版社: こぐま社
 3歳の弟の誕生日ために、前日おかあさんとプレゼントを買いに行った4歳のジェニー。
 家で猫を飼っていることもあってか、8粒入りの子猫のチョコレートを飼いました。
 買ってきたプレゼントをこっそり自分の部屋に隠したジェニーですが…。

 プレゼントは、自分がもらっても嬉しいものを選ぶのがベストでしょうね。
 ジェニーもそうだったのかしら。
 ジェニーの揺れる心わかります。
 息子は、読んで「やっちゃた〜。うそ〜。」って、叫んだ後に「なんか、ぼくも自分の部屋に置いたらやっちゃいそ〜。」って、きゃはきゃは笑っていました。

 この後どうなるのかしらと、読んでみたら、思いがけないエンディングでした。
 両親の台詞もステキです。
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★5  “台詞入れごっこ”をして楽しみました 投稿日:2009/09/12
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県  男の子11歳
がたたん たん
がたたん たん 作: やすい すえこ
絵: 福田 岩緒

出版社: ひさかたチャイルド
 懐かしい一冊です。
 息子が、5歳の時に読みました。

 電車の中の出来事。
 偶然乗り合わせた人たちが、車内で起きたアクシデントをきっかけに
 心を通わす事になり、ほのぼのエンドです。
 文字は、電車の音が何ページかにはいっているだけ。
 絵を見て、読み手がストーリーを汲み取っていく形。
 心の通い合った人物たちにページを追って、色が加えられていくとても、上手な構成です。

 知り合いでもない人たちが、一つのことをきっかけに、ほほえみあい、言葉をかわす。
 著者の言うように、素敵なことですね。
 
 絵を見ながら、どんな事を言っているか“台詞入れごっこ”をして楽しみました。

 11歳の息子は昨夜再読して、「今見てもおもしろいな〜。」と扉絵をしみじみながめていました。
 
 これぞ、“絵本”という一冊でした。
参考になりました。 0人

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