母親の死と子供の成長
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投稿日:2009/08/08 |
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県 男の子12歳
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「たかちゃんとぼく」で気になっていた写真家の細江英公さんの素晴らしい写真集を見つけました。
でも、主役は被写体の古田幸さんと、彼女の詩。
突然に母親をうしなった小学6年生の幸さん。彼女の書きつづった詩。それからの生活に密着して、学校の先生だった父親と中学生の兄と3人の生活、女手として頑張り続ける幸さん、家族風景を重ねていきます。
素朴な詩が、母親を亡くした等身大の12歳を表現していて心打たれます。
細江さんも、幸さんをまるごと包み込むようなカメラアイ。
この本そのものが幸さんであるかのようです。
ただ、不思議なことにこの本、英語版で出版されながら、国内では40年過ぎての出版だとか。
その間に幸さんのお父さんは亡くなったけど、幸さん自身は結婚して二人の子どもの母親となり幸せに暮らしているとのこと。
幸さん自身、小学生当時の自分を振り返って、懐かしさと悲しさと、心を閉ざしていた自分にびっくりしたとのこと。結婚し母となって見直してみると、父への感謝でいっぱいだとあとがきにありました。
考えると、幸さんは自分と同じ年かも知れない。
幸さんの詩の下に、父親茂美さんのコメントがそっと添えられているのも、母を失った家族を思う上でとても貴重なことだと思います。
12歳の子ども、親、そして小学校を卒業して40数年経った親には特にお薦めの本です。
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平和への思い
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投稿日:2009/07/28 |
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県 男の子12歳
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原爆で死んだ少女。
トマトを待ちわびながら死んだ少女。
日常の生活と、それを一変させた原子爆弾。
トマトを待ちわびながら死んだ少女。
日常の生活と、それを一変させた原子爆弾。
トマトがとても象徴的に悲しみを訴えていると思います。
日常と地獄の落差の表現。
平和の象徴としての鳥。
とても素晴らしい絵本です。
言葉少なに、絵に込めた思いに圧倒されます。
1978年に出版された絵本だそうですが、1983年に大型本として改定されました。
その際に、2場面を加えたと言います。
それは、現代も飛び続けている鳥。
そして現代の大都会の風景。
平和への思いを現代に伝えたいという、松谷みよ子さん、司修さんの強い思いを感じました。
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すとんと、心に落ちる絵本。
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投稿日:2009/08/26 |
ちゅら。さん 40代・ママ・千葉県 男の子12歳
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トンボを捕まえるのが苦手な少年二人。
ほかの子達のように、トンボの羽をむしったり、アタマを取ったりしてみたい!
でも、一匹も捕まえられない。
ある日、転校してきた少年が、捕虫網ではなく不思議な道具を作って、
あっという間に大きなトンボを捕まえてくれた!
羽むしろうか!アタマ取ろうか!!ワクワクした。
でも、間近に見ると、トンボって可愛い。
可哀想だ、逃がしてやろう。
『 ・・・・・ トンボは嬉しそうに大空を飛んで行きました』
そんな終わりを想像しつつ、ページをめくると、、、
子どもは遊びの中で、無邪気で可愛く優しい一面もあれば、
容赦のない残酷さを垣間見せることがありますね。
この絵本のように、昆虫の羽をむしったり分解してみたり。
アリを踏みつぶしてみたり、ダンゴムシを水につけてみたり。
どうしてそんなことをするの?
命を大切と思わないの?うちの子は残酷なのか・・・
男の子のお母さんなら、一度は悩んだことがあるのではないでしょうか。
そんな長年の心のつかえが、すとんと落ちた絵本です。
長谷川集平さんが、この絵本で教えてくれました。
思い出させてくれた、のかもしれません。
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目で語る子どもたち
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投稿日:2009/08/19 |
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県 男の子12歳
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ベトナム戦争に太平洋戦争を重ね合わせて、戦火に振り回された子どもたちを描いています。
言葉は、いわさきさんの詩であり独白です。
文章以上に絵の中で子どもたちの目が語っています。
そこにいわさきさんの痛烈な思いを感じます。
最初と最後の絵にだけほんのりとした赤があります。
あとは、デッサン調のモノクローム。
飾り気のない絵の中で、子どもたちの哀しそうな瞳。
これは、伝えなければいけない絵本だと思いました。
子どもたちは、ベトナム戦争を知りません。
平成児童にとって、太平洋戦争も大昔のことになってしまいました。
それでも、子どもたちの哀しい目が、息子に戦争の悲惨さを伝えてくれたようです。
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やっぱりもとのままがいい
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投稿日:2009/08/18 |
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県 男の子12歳
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目が覚めたら厚み1.3センチの体になっていたスタンレー。
ぺちゃんこになったら、こんなことができるんだと次々にいろいろな出来事が起こります。
弟のアーサーはそれがうらやましくてしょうがない。
でも、この話の一番肝心なところは、やっぱりもとのままがいいということ。
指輪を探すためにスタンレーを排水溝にいれる母や、郵便でスタンレーを送ってしまう父。
ぺちゃんこになったスタンレーを丸めたりもするのですが、もとの姿になったスタンレーにみんな大喜び。
終わりはハッピーなので、安心して読んでください。
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想像する力は、生きる力。
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投稿日:2009/08/21 |
ちゅら。さん 40代・ママ・千葉県 男の子12歳
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戦火を逃れ、着の身着のままで見知らぬ地で暮らす親子三人。
貧しく、食料も乏しい毎日。
ある日、お父さんはわずかばかりのお金を持ってパンを買いに行く。
夕方、帰ってきたお父さんはパンではなく一枚の大きな地図を買ってきた。
お腹を空かせたお母さんとぼくは、がっかりした。
なぜ、地図なのだろう?
しかし、この地図を部屋の壁に貼ると・・・
何の希望もない日々を送っていたぼくの目の前に、たくさんの色が。
そして、想像の世界が広がったのです。
ひとかけらののパンで、どれだけ空腹が満たされるでしょう。
どのくらいの活力になるでしょう。
おとうさんの地図は、ぼくに想像の世界を与え、想像は希望となりました。
そして、希望は生きる力となりました。
おとうさんは、人間にとって大切なことが何なのか、知っていたのです。
そしてぼくに与え、教えてくれました。
どんな状況にあっても、大切なものを見失わずにいる。
そんな人間でありたい。
心に残る絵本です。
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絵本の活劇
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投稿日:2009/08/17 |
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県 男の子12歳
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不思議なぼうしが主人公。
なんでもできる不思議なぼうし。
ご主人さまの言うとおり。
ときには、ご主人さまの心も読んでしまう。
それにしても、退役軍人のベニト、ぼうしのおかげで貴婦人と結婚までしてしまう。
義足、戦争…、毒気を盛り込みながら、ウンゲラーの息もつかせぬ大活劇。
ベビーカーが、燃えながら階段を転げ落ちていくとこなどは、チャップリンもどき。
絵を楽しめるウンゲラー世界です。
だけど、ぼうしも風任せ。
ご主人さまを離れ、また飛んで行くところに深みを感じます。
ベニトさん、ぼうしに振り回されて、結局あまりしあわせじゃないよね。
子どもウケする絵本です。
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今、飛行機が飛んでいるのは
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投稿日:2009/08/19 |
たれ耳ウサギさん 40代・ママ・群馬県 女の子18歳、女の子16歳、女の子14歳
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勤勉なゾロと小悪魔のようなサライ。
共に天才レオナルド・ダ・ヴィンチの弟子。
サライにそそのかされ、秘密の部屋から飛行機の試作品を運び出し、
丘の上から飛んだゾロ。
墜落し怪我をしたゾロですが、大切なヒントをダ・ヴィンチに与え
ます。
あとがきによると、彼の発明品は現代のような材料や道具が
なかったため、失敗作が多かったようですが、多くのものが
著しく時代を先取りしていたそうです。
「どんなことだって、知ろうと 努力することが 大切だよ」
ダ・ヴィンチは一挙手一投足が夢の実現への努力だったようです。
「将来何になりたい?何をしてみたい?」こう問いかけても、
「わかんない」「考えたことない」そんな答えがよく返ってきます。
先達たちのおかげで便利になりすぎたせいでしょうか。
物のない時代の方が、夢がみられたのでしょうか。
夢を持つことの大切さを学んで欲しいです。
最後に…
皮肉にもサライの盗みや非行について、たくさんの記録が
ダ・ヴィンチのノートに残っているものの、ゾロについての記録は
あまりないそうです。
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戦争体験に自分を重ねて
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投稿日:2009/08/14 |
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県 男の子12歳
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小学校高学年向けだというノンフィクション。息子が選んだ1冊です。
戦争の悲惨さというと、広島、長崎であったり東京であったり、扱われる場所がある程度限定されるように思うのですが、戦時下の東海地方を題材にしているところからして自分にとっても初めて知る事ばかりでした。
中学になる少女たちは、動員という名のもとに中島飛行機の工場で飛行機作りを仕事とすることになります。それも「国のため」という信念で厳しい生活を乗り越えていきます。
働いている時に起こった東南海大地震。軍需のため多くの鉄骨を抜いた工場の倒壊で多くの犠牲者が出ます。
そして、その後の空襲。
戦時中という状況の中で、事実は機密事項とされ封印されて終戦をむかえる。
自分と同じ年齢、これから向かう青春にこの事実を重ねると痛々しい思いになるようです。何事も受け入れるしかなかった当時。
このことを理解するのは難しそうですが。
私も「戦争をしらない子供たち」の一人ですが、いかに歴史を伝えるかということに心を痛めます。
この本に扱われた中島飛行機。
戦時中のこのような犠牲を持ちながら、戦後の日本を支える大企業となっています。
ノンフィクションは、書かれていることをまずは読んで、仮想体験してみることから始まると思います。
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虫に見えること
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投稿日:2009/08/15 |
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県 男の子12歳
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ある朝目覚めるとグレゴリー・サンプソンは大きな虫になっていた。
カフカの「変身」の重さはないにしても、考えさせられる絵本です。
虫になったことを気づかない(認めない?)グレゴリーの家族。
自分が虫であることを気づくのは親友のマイケル一人です。
学校でも、自分が虫になってしまったことを訴えても、誰も認めてくれません。それどころか相手にされなかったり、怒られたり。
この本は絵本だから、自分たちは虫になったグレゴリーを目にしていますが、実は虫に見えていないのかもしれない。グレゴリーは虫ではないかも知れない。
これはとても含みのある話です。
人の目にはわからない自分を認めてもらうこと。これは大変な事です。
家に帰って、やっと家族は自分が虫であることを認めてくれました。
ここで、僕は思うのです。
やっぱり、家族の目にはグレゴリーは人間にしか見えていないのではないかな。
子どもの心を認めたということではないかな。
この絵本を人間のアイデンティティの認知と読むと、最後にグレゴリーが人間に戻ることで話はややこしくなってしまいます。
作者が何を言いたかったのか、読者に任されてしまうからです。
絵も文章も軽い絵本ですが、息子には難しかったようです。
私も悩んでしまいました。
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お風呂の前に、読みましょう!
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投稿日:2009/08/13 |
ちゅら。さん 40代・ママ・千葉県 男の子12歳
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水道の蛇口。
あければ、当然水が出てきます。
この絵本も、水しか出てきません。
奇抜なものは、なにも出てこないのです。
それなのに・・・なんて不思議なのでしょう!
コップに水をあててみる。
スプーンを入れてみる。
スプーンを逆さにしてみたら・・・
水はまるで生き物のように、いろんなものに変わっていきます。
この絵本を読んだ子どもは、まっすぐ台所へ向かうはず!
台所が水浸しになる前に・・
子どもを叱ってしまいそうになる前に・・
コップやスプーンを持って、お風呂場へ行きましょう。
そして、思う存分実体験をさせてやりましょう。
子どもと一緒に、たっぷり不思議を楽しみましょう!
しんぐうすすむさんの絵本は、リアルを超えていますね。
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科学に目覚める絵本。
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投稿日:2009/08/13 |
ちゅら。さん 40代・ママ・千葉県 男の子12歳
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身の回りにある、ちいさな科学への興味。
ずっとそばにあるものなのに、大発見!の驚きと喜び。
この絵本には、見事にそれが詰まっています。
散歩に出かけようと、パパと手をつなぐ。
あれ?パパの手、あったかい・・・
ぼくの手もあったかい???
手のひらで、あたたかい、つめたいを感じながらお散歩です。
鉄柵は、日に当たっているところはあったかい、日かげはつめたい。
公園の砂場。
砂山の上はあったかい、砂の中はつめたい。
あったかくて つめたくて つめたくて あったかくて
ぼくの大発見は大忙し。
パパは何にも説明しないで、ぼくの実験に付き合っています。
説明はいつでもできます。
実体験を大切にして、見守るパパだからこそ、子どもの世界が広がるのですね。
子どもがあちこちさわって歩く意味が、わかったような気がします。
大人も子どもも、大発見!の絵本です。
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楽しくて元気が出ます
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投稿日:2009/08/12 |
めっちょんさん 40代・その他の方・東京都
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無人島で父親と暮らす少女ニムと、冒険小説家のアレックスとのお話です。明るくて元気で、どこかしらファンタジックな雰囲気が、息子も私も気に入りました。
はらはらドキドキするような展開のところでも、心のどこかで「きっと大丈夫!」と信じて読み進んでいける安心感は、ピカイチです。息子は、楽しく一気に読んでしまいました。
この作品をもとに作られた映画(「幸せの1ページ」)もあります。映画では、アレックスに「極度の引きこもり」という性格が加えられていますが、それが「いろいろな経験をして人は成長する」というテーマと結びついて描かれるので、単なる笑いで終わらず、深い味わいになっています。
10歳くらいから読めると思います。
読んでいて、楽しく元気になる本です。
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おもいっきり楽しめる絵本
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投稿日:2009/08/13 |
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県 男の子12歳
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ウンゲラーのとても楽しめる絵本です。
税金集めが仕事だったラシーヌおじさん。定年を迎えて楽しみは自慢のナシを育てること。そこに現れたナシどろぼうがふしぎな動物…。
なんとなく気になって、話のてんまつを知ってしまうと「なんだ〜!」っていう絵本ですが、思いっきり楽しめる絵本です。
ふしぎな動物の正体がわかった時のドタバタ。
コントギャグのずっこけみたいな絵が楽しい。
それ以上にウンゲラーが楽しんでいるのが隅々に見られるのです。
ストーリーが終わってからもう一度絵本を見直してみてください。
それぞれの絵に、ウンゲラーのおふざけが必ず隠れています。
絵本がこんなに楽しかったの?
ストーリーだけではこの絵本の楽しさは見つけられないかも。
ウンゲラーは素晴らしい。
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ちいさな女の子の、ちいさなファンタジー。
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投稿日:2009/08/13 |
ちゅら。さん 40代・ママ・千葉県 男の子12歳
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とてもとても、可愛らしい絵本です。
段ボール箱で「わたしのおうち」を作ろうとするおねえちゃん。
一緒にお手伝いしたい弟が、ちょっと邪魔。
おうちは原っぱへお引っ越しします。
ひとりおままごとも始まり、どんなお客さんが訪ねてきてくれるか、
楽しいことをたくさん考えます。
ちいさな女の子が想像する、楽しいお客さまのお話しは、
ちいさなファンタジーのようです。
さて、本当に訪ねてきた初めてのお客さまは・・・
きょうだいって、いいなあ。
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たねもしかけもございます。
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投稿日:2009/08/13 |
ちゅら。さん 40代・ママ・千葉県 男の子12歳
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くりぬき窓の、しかけ絵本です。
このしかけ窓が、効果的。
お次はなに!?と、ワクワクさせてくれます。
子どもと一緒に、呪文を唱える・・・
あんどら いんどら うんどら!
次のページでビックリの変化!!
呪文のあとのページめくりは、是非もたつかずにサッッ!と。
「てじな」というより魔法にかけられたような気持ちになります。
子どもが喜ぶこと間違いなし、の絵本です。
アヤシイおじさんのお茶目な退場も、なかなか^^
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父ちゃんは、海にいる。
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投稿日:2009/08/12 |
ちゅら。さん 40代・ママ・千葉県 男の子12歳
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満月の夜の、海の子どもたち。
父ちゃんが教えてくれた秘密の場所で。
父ちゃんが教えてくれたとおりにサザエをとる。
満月の海は、なんとも幻想的。
キラキラと光る夜光虫に抱かれるように海を泳ぐ兄弟。
海の中には、去年死んでしまった父ちゃんがいる。
父ちゃんの海がくれたたくさんのサザエは、母ちゃんへのお土産。
この兄弟は、母ちゃんをしっかりと支えているのですね。
海とともに生きること。
死んでなお、海に生き続けるということ。
さすが、梅田ご夫妻です。
吸い込まれるような絵本です。
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これって本当にハッピーエンド?
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投稿日:2009/08/12 |
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県 男の子12歳
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ウンゲラーのとてもスパイシーな絵本です。
子どもたちを食べてしまうというとても怖い人喰い鬼。
何も知らぬ無垢なゼラルダが、こともあろうに自分を食べようとして足をすべらせ気絶してしまった鬼を助けてしまいます。
ゼラルダの作る料理に大満足の鬼は、仲間たちとともに子どもたちを食べることを止め、最後にはゼラルダと結婚して幸せに暮らしました?
子どもたちを食べてしまうという、とてもインパクトのある恐怖感から良いひと人になったように思える鬼。
ハッピーエンドだと人は言うけど、ウンゲラーの狙いはその上を行っているかもしれない。
だって、最後の絵、子どもの一人が後にナイフとフォークを隠しているじゃないですか。
そういえばゼラルダが人喰い鬼のために作った料理の豚の丸焼きの絵。
その前ページでは荷車の中から豚が不安げに覗いている。
ページをもう一度進めてみると、ロバが「いいのかなあ?」って顔をしている。
鬼たちは子どもを食べるのを止めたけど、良い鬼になったなんてことどこにも書いてない。
私は最後のページに「続く」と書いてあるように見えてしまいました。
続編があれば、とんでもないどんでん返しがあったりして。
これがウンゲラーの世界です。
奥さんも同じようなことを言っていましたが、純真な子どもにこんな解説は無用です。
ハッピーエンドでホッとしている子どもたちには内緒にしておきましょう。
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昔話のよう、奇天烈な話です。
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投稿日:2009/08/11 |
てんぐざるさん 40代・ママ・埼玉県 女の子14歳、女の子9歳
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長谷川摂子さんの絵本を紹介している本を読んで、題名に惹かれ、図書館で探してきました。
面白かったです。
梶山さんの個性的な絵と、民話みたいな不思議な話がすごくマッチしていました。
内容についての説明が全くないので、創作の絵本なのか、昔話がもとなのか、全くわかりません。
ラストに三つ目の化け物がミミズになってしまった。なんて、
オチがまた奇天烈でよかったです。
長谷川さんの紹介文を読むまで、全く知らないお話でしたが、こんなに楽しい絵本に出会えて、すごく幸せです。
学校が始まったら、ぜひ、子どもたちにも読んであげたいです。
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目からウロコ
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投稿日:2009/08/08 |
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県 男の子12歳
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自分が絵本を探す上でとても大切なことが三つあります。
一つは子どもたちとの対話。子どもたちがどう反応してくれるか、子どもたちにどう伝えるか、一番むずかしい事です。
一つは自分自身との対話。子どもにかこつけて結構楽しんでいる自分。自分が子どもだった頃、自分が父親見習だった頃(進行中)を思い出したり、絵本の中にいろいろな物を見つけては自分を再確認したりしてます。
もう一つは自分自身の学び。絵本を通して自分自身が学ぶことはとても多いと思います。
そして今回の「空のひしゃく」は、長年苦手だった天文知識をこっそり学んでしまえる絵本でした。
北斗七星、北極星…、多少は知っているけど、突っ込まれたらたじろいでしまう宇宙の仕組み、地球の自転と公転、北極南極の話から始まって、地球と宇宙の仕組みの入門を見事に絵本として説明してくれています。
自分の得意分野にはまれば強気な私も今回は控えめ。
何度も読み返してから、息子に本を渡してみました。
詳しい人には物足りないかもしれませんが、子どもに知識を伝える技も詰まっている絵本です。
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