酒井駒子によるロングセラー絵本の新装版
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絵本紹介
2022.03.23
地球を救うためにロケットに乗り込み宇宙ステーションへと出発したのは「ほうかごスペシャル探検隊」! そこで待ち受けていたものとは……。毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信をもっておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介するのは『アブナイこうえん』。小学生5人組が活躍する「アブナイ絵本」シリーズの第3弾です。どんな内容なのでしょう。
NEXTプラチナブックとは…?
絵本ナビに寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。
そして、毎月発売される新作絵本の中からも、注目作品を選びたい! そんな方におすすめするのが「NEXTプラチナブック」です。3か月に一度選書会議を行い、「次のプラチナブック」として編集長の磯崎が自信を持って推薦する作品を「NEXTプラチナブックメダル」の目印をつけてご案内します。
みどころ
「さあ、しゅっぱつだ!」
地球に迫りくる巨大隕石バナスを破壊するために、ロケットに乗りこみ宇宙ステーションへ向かったのは、「ほうかごスペシャル探検隊」。そう、第1弾ではジャングル奥深く、第2弾では熱帯の王国へと探検を繰り広げてきたあの5人組が、また新たなモウソウの世界へと出発したのです。
今度の舞台は宇宙、これはスケールの大きさを期待せずにはいられません。5人はイテンウ・ブリッジをわたって、宇宙基地イダリー・ベースに移動。さらに、ぎんがスクーターに乗って宇宙の真ん中へ! 目の前に現れたのは……。
思わず見とれていると忘れてしまいそうなのですが、これは彼らの得意な妄想の世界。いったい、どこでこの探検を繰り広げているというのでしょう。その単語ひとつひとつをよく読んでみれば……!?
不思議な構造のイテンウ・ブリッジ。だけどこの仕組み、どこかで見たことあるような? 配色もなんだか馴染みがあります。
途中でドッチラケ星人に邪魔されそうになりながらも、集中力をきらすことなく、5人は使命を果たすことができたのでしょうか。最後の満足げな彼らの姿を見ながら、答え合わせも楽しんでくださいね。
山本孝さん渾身の作品「アブナイ絵本」シリーズの最新作。細部までこだわりぬかれたロケットや宇宙ステーションの描写は見応えたっぷり。壮大でカッコいいのに、どこか懐かしく。丁寧に描かれた銀河の世界も、吸い込まれそうになりながら、やっぱり愛嬌があったりして。何回読んでも飽きることはなさそうです。もちろん、読むときは大きな声を出して、臨場感を出すことも忘れないでくださいね。
せっかくなら自分たちも
まずはこの圧倒的な熱量で描かれた(モウソウ版)宇宙の世界を存分に味わって! 美しくも不気味、ちょっと怖いけど魅力的。山本孝さんの個性的な絵は、シリーズを重ねるごとに密度は濃くなり、その分バカバカしさもますます際立って。そこに大げさなナレーションをかぶせていけば、気分はすっかり探検隊の一員。しっかりと「アブナイ」世界の中に入りこんでいけるはずです。
この書籍を作った人
1972年、愛媛県松山市に生まれる。大阪デザイナー専門学校編集デザインコース絵本科卒。「あとさき塾」「メリーゴーランド絵本塾」で絵本を学ぶ。作品に『アブナイかえりみち』『アブナイおふろやさん』『祗園精舎』(ほるぷ出版)『ちゃんがら町』『十二支のおはなし』『がっこういこうぜ!』『おばけのきもだめし』(岩崎書店)『雪窓』『本所ななふしぎ』『学校ななふしぎ』(偕成社)『むしプロ』 『カイジュウゴッコ』(教育画劇)『ぬ〜くぬく』(農文協)『にんじゃつばめ丸』(ブロンズ新社) 『えかきのチャーリーひみつのかべ』(イースト・プレス)『いっすんぼうし』(あかね書房)『はのはのはなし』(アリス館)などがある。
磯崎 園子(いそざき そのこ)
絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長として、絵本ナビコンテンツページの企画制作・インタビューなどを行っている。大手書店の絵本担当という前職の経験と、自身の子育て経験を活かし、絵本ナビのサイト内だけではなく新聞・雑誌・テレビ・インターネット等の各種メディアで「子育て」「絵本」をキーワードとした情報を発信している。著書に『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)がある。