絵本紹介
2022.11.29
みどころ
森の奥にある、ちょっと変わった病院。「1ばんのかた、しんさつしつへ おはいりください」と呼ばれ視察室へ入っていったのは……。ながーい首がからまってしまった、和服姿のろくろっ首でした! たぬき先生もその姿にびっくり。でもオイルを塗って引っ張ったら、つるりとほどけましたよ。
旅帰りで頭の皿をひび割れさせてしまったカッパ、乾き目のひとつ目小僧、鼻に棘が刺さった天狗……と、次々に妖怪がクリニックにやってきます。どんな困ったことも、ちゃんと診察して手当てをしてくれるのですから、さすが、妖怪のための病院、たぬきクリニックのたぬき先生!
しかも先生ならではの得意技もあるんですよ。「緊急手術!」となったら、手が2本では足りませんからね。えっ、たぬき先生、化けちゃったの……!?
ほのぼのとした診察風景。先生の優しい表情、ユーモラスな患者とのやりとりにほっこり。ここは妖怪たちみんなに頼りにされているんですね。たぬき先生のあたたかさに、「こんなお医者さんがいたらいいな」と子どもたちは憧れるのではないでしょうか。
作者の長谷川あかりさんは第9回MOE創作絵本グランプリ佳作、第17回タリーズピクチャーブックアワード絵本大賞、第11回日本新薬こども文学賞絵本部門の最優秀賞などを経て、絵と文の両方を手がけた絵本も手がけています。読み聞かせにも、ひとり読みにもちょうどいい感じのおはなし絵本です。今後の作品が楽しみですね。
妖怪が病院に行く理由がおもしろい
色んな妖怪たちが登場するのもすごく楽しめますが、もっと楽しいのが妖怪たちがどうして診察に来ているか。なんかすごく笑えたのが、ひとつめこぞうの症状。乾き目とは、大笑いしました。「それだけ目が大きいんだから、当たり前だよ〜」と子どもも大うけしていました。
子どもたちが怖がる妖怪は登場しないので、小さな子たちにも安心して読んであげられる点が凄く良いなと思いました。妖怪が登場するお話ですが、怖くないし、逆に笑えてしまう、楽しい絵本でした。
こんな優しい病院の先生がいたら、本当に素敵ですね。楽しくてかわいらしくて子どもたちにも大うけの一冊なので、おすすめです。
(ピンクさんちゃん)
楽しい病院!?
妖怪、しかも病院、という題材なのに、登場するキャラクターがみんなチャーミングで、ほっとしました。人間と同じように妖怪もうっかりケガをするんだなあと、くすっとしてしまいます。
たぬき先生の必殺技も必見です。物語の後半、雷の子たちの健診では、たぬき先生の優しいまなざしにほっこりしました。病院が好きな子どもはなかなかいないと思いますが、こんな優しくておもしろい病院なら、怖くないと言ってくれるのではないでしょうか。
(おもちとこあらさん)
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