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- ためしよみ
にわとりが産むたまごは、1日にひとつだけって知っていましたか? 毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信をもっておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介するのは、『たいせつなたまご』。しゃしん絵本作家キッチンミノルさんによるドキュメンタリー絵本、どんな内容なのでしょう?
NEXTプラチナブックとは…?
絵本ナビに寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。
そして、毎月発売される新作絵本の中からも、注目作品を選びたい! そんな方におすすめするのが「NEXTプラチナブック」です。3か月に一度選書会議を行い、「次のプラチナブック」として編集長の磯崎が自信を持って推薦する作品を「NEXTプラチナブックメダル」の目印をつけてご案内します。
みどころ
コーコッコッコッコ〜
にわとりたちは、朝からとってもおしゃべり。こいけさんがやってきて、にわとりたちの健康チェックをします。こいけさんの目は真剣です。
ザッザー ザザ〜
エサやり担当はかねこさん。待ってましたとにわとりたち。おいしい水の担当はいちおかさん。さらにふんのそうじ、道具のそうじ、それぞれの担当スタッフが丁寧に仕事をする中で、にわとりたちは小さな部屋に集まってきます。
「あっ!!」
たまごが産みおとされます。うまれたての温かなたまご。にわとりは、1日1個しかたまごを産みません。その「たいせつなたまご」が慎重に集められ、きれいに洗って箱詰めされ、私たちの食卓へと運ばれてきます。
しゃしん絵本作家として注目を浴びるキッチンミノルさんが、栃木県真岡市にある平飼いの養鶏場「ハコニワファーム」に泊り込みで取材し、生き生きとした写真で迫ったドキュメンタリー絵本。
そこに写っているのは、鳴き声やにおいまで伝わってきそうなほど間近で撮られたにわとりたちの元気に動き回る様子や、一人ひとりが自分たちの仕事を全うするスタッフたちのかっこいい姿。
食育絵本という役割だけに留まらず、ひとつのたまごに対する多くの人の愛情や努力が伝わってくる魅力的な写真の数々。それらに夢中になっているうちに、私たち読者は目の前にある「いつものたまご」がより美味しく感じられるようになってくるのです。
物語を感じさせてくれるキッチンミノルさんのしゃしん絵本。次はどんな場面を切り取ってみせてくれるのか期待してしまいますよね。
うまれたてのたまごは温かい!
毎日の食卓に当たり前のように登場するたまご。そのたまごについて知っていることはどのくらいあるだろう。1羽のにわとりは、1日にたった1個しかたまごを産まないということ。産む瞬間ににわとりの体が丸くふくらむこと。うまれたてのたまごは温かいということ。キッチンミノルさんが肌で直接感じた感動を、そのまま写真という形で見せてくれるこの絵本を読んでいると、私たちがただ「知っているつもり」になっていたんだ、ということに気づかせてくれるようです。
この書籍を作った人
アメリカ・テキサス州生まれ。しゃしん絵本作家、写真家。18歳のときに噺家を目指すも挫折。2005年、写真家・杵島隆に褒められて脱サラし写真家になる。身の回りの面白い事象を多くの人と共有することを目標に企画を発信している。しゃしん絵本に『たいせつなぎゅうにゅう』(白泉社)、『あさがおとはるくん』(PHP研究所)、『ひこうきがとぶまえに』(テキサスブックセラーズ)など。
磯崎 園子(いそざき そのこ)
絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長。著書に『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』(ほるぷ出版)、『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)、監修に『父母&保育園の先生おすすめの赤ちゃん絵本200冊』『父母&保育園の先生おすすめのシリーズ絵本200冊』(玄光社)がある。