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絵本紹介
2021.06.17
ほんとうは、ずっといやだった。思いきって言えたこの気持ち。だけど……。毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信を持っておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介するのは『しんゆうだけどだいきらい』。クラスにこんな子がいたらどうする? みんながそれぞれ考えるきっかけになる「こんな子きらいかな?」シリーズより、親友みかりちゃんについてのお話。どんな内容なのでしょう。
NEXTプラチナブックとは?
絵本ナビでは、寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。
そして、毎月発売される新作絵本の中からも、注目作品を選びたい! そんな方におすすめするのが「NEXTプラチナブック」です。
3か月に一度選書会議を行い、「次のプラチナブック」として編集長の磯崎が自信を持って推薦する作品を「Nextプラチナブックメダル」の目印をつけてご案内します。
みどころ
幼なじみのみかりとしずく。毎日一緒に学校に行くし、クラスも同じ、席隣どうし。
「わたしたち、親友だもんね〜」
みかりは、おしゃべりが大好きで、ぽんぽん言葉が出てくる。しずくはおっとりしているから、うんうんとうなずくことが多い。一緒にいると、とても楽しいし、すごいなあと思う。だけど……わたしの話、ちっとも聞いてくれてない。今日だって、わたしが失敗したことを、あんな風に言って!
「みかりちゃんなんて、だいきらい」
やっと言えた、わたしの思っていたこと。だけど……。
「わたしもみかりちゃん、にがて」
「ほら、だれともグループになれないみたい」
え、そうだったの?
私も確かにいったけど。あんなみかりちゃんが見たかったわけじゃない。
親友ってなんだろう。好きだけど嫌いなこの気持ち、どうしたらいいんだろう。このままがまんしていた方が良かったのかな、それとも言ってよかったのかな。
「こんな子きらいかな?」シリーズには、ちょっと変わった子が次々に登場します。そして、まわりの子の事もしっかりと描いてくれています。学校にいると、友だちと一緒にいると、わからないことだらけ。だけど、みんなしっかりと迷い、考えているんだよね。この絵本も、自分と違うあの子のこと、まずは知ろうとすることが始まりなのだと気づかせてくれる1冊です。
しずくちゃんは、私。
いつも一緒にいるからって、仲良しなわけじゃない。仲が良いからって、いつも好きなわけじゃない。私にだって、言いたいことはある。だけど、自分が思っている事を言えたからって、本当にそのままでいいのかな。離れたところから見ると、みかりちゃんの違う部分が見えてきた。
しずくちゃんは、私。子どもの頃の自分であり、今の自分でもあって。隣にいる子のこと全部知っていると思っていたら大間違い。世の中は、まだまだわからない事だらけ。この絵本をきっかけに、ぐるぐる悩みながらも一歩を踏み出せる子がいることを願います。
この書籍を作った人
1981年埼玉県生まれ。創形美術学校ビジュアルデザイン科イラストレーション専攻卒業。イラストレーター、漫画家。都内の広告代理店で勤務後、2011年よりイラストの仕事を始める。また2013年より漫画作品の制作も始める。書籍装画、雑誌・児童書・小説挿絵などで活躍。著書に『サザンウィンドウ・サザンドア』(祥伝社)がある。東京都在住。
磯崎 園子(いそざき そのこ)
絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長として、絵本ナビコンテンツページの企画制作・インタビューなどを行っている。大手書店の絵本担当という前職の経験と、自身の子育て経験を活かし、絵本ナビのサイト内だけではなく新聞・雑誌・テレビ・インターネット等の各種メディアで「子育て」「絵本」をキーワードとした情報を発信している。著書に『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)がある。