爽やかな秋風が吹き抜ける季節。空も高くなって、日が短くなって、なんだか少し物悲しくもなって…、ほかほかのあんまんなんかが食べたくなりませんか…?
そんな心情になるのは人間ばかりではないらしく、小さな小さなアリ達も突然空からふってきた、大きな大きなあんまんに興味津々。なんとか巣穴へ持ち込むための方法をアリやこれやと考えているようです…。
…そんなアリ達の奮闘振りを描いた新作絵本、『でんせつの きょだいあんまんを はこべ』。
この絵本、表紙を見ていただければ分かるように、非常に濃くて熱気溢れる絵本なんです!
それもそのはず、『うんこ』で大ブレークし、その後次々と話題作を発表しているサトシンさんが文章を、「給食番長」シリーズや「新・今昔物語絵本」などで独特の濃い〜世界を生み出しているよしながこうたくさんが絵を担当!
今をときめく絵本作家の二大共演に、期待も高まる作品なんです!
題名を聞いただけでも、そのストーリーが気になってしまうところですが、
今回は、よしながこうたくさんに新作絵本の濃い〜裏話をたくさん話していただきました!
- でんせつの きょだいあんまんを はこべ
- 作:サトシン
- 絵:よしながこうたく
- 出版社:講談社
突然空から降ってきた白い物体。その正体は、伝説としてアリたちに伝わっていた「巨大あんまん」であった。それを聞いたアリの女王は、ある決断を下す。「伝説の巨大あんまんを運べ」。あまりに危険なその任務は、アリの勇者、アリヤマ・アリロウの手に委ねられた。巨大あんまんを巣に持ち帰るため、アリたちは勇気と知力と努力をつくした冒険に挑む。
●物語のきっかけは、サトシンさんの訪問?
─── 実は、絵本ナビへ来ていただいた回数が過去最多のこうたくさんです!
よしなが:そうなんですか〜、いや〜毎回スミマセンねぇ…。こんなむさくるしいのが来ちゃって(笑)。
─── とんでもない! いつも楽しいお話をしてくれるので、時間を忘れちゃうくらいワクワクしています。
今回は新作『でんせつのきょだいあんまんをはこべ!』をお持ちいただいたのですが、メチャクチャ力作ですよね!
よしなが:そうですね。前に制作日記を載せていただいたので知っている方もいるかもしれませんが、僕は作品に向かっている間、ほとんど外に出ず、遊びに行かず、ひたすら作品にのめりこんでいくので…。命削りながら描きました。
─── 実際にどのくらい時間がかかったんですか?
よしなが:本描きでは1ヶ月くらいですね。下書きはもうちょっと長くかかってました。
─── 今回、何と言っても気になるのがサトシンさんとの初タッグという部分ですが…。
どういった経緯でこのような面白い出会いが生まれたんでしょうか?
よしなが:2年位前かな…、サトシンさんがいきなりうちに来たんですよ。
それで3作くらい原作を置いていって、「絵、つけてよ! 絵、つけてよ!」って(笑)。
─── 2年前って、まだ九州にいらした頃ですよね…。
よしなが:そうなんですよ! わざわざ新潟から来てくれて。でも、その頃はまだサトシンさん、絵本をあまり出されてなくて、正直「誰だ、このオヤジ?」って思いましたね(笑)。
当時からなんか押しが強くて、「3つ引き受けてくれんと…、ヤだな」って言われたり…。かなり長く居座られましたしね…。「部屋に入れてくれ、部屋に入れてくれ」って、僕の部屋まで来たりしましたよ、初対面なのに(笑)。
─── それは…!想像していた以上にインパクトのある出会いですね (笑)。
なんでこうたくさんのところに来られたのか理由は聞きましたか?
よしなが:いやぁ…全く分からないですね! いきなり来ていきなり帰ったんで…(笑)。
ただ、僕も昆虫の絵本を作りたいって思っていたんで、「やってみるか!」って思ったんですよ。
─── そうだったんですか?
よしなが:昆虫大好きで、家にもかなりの種類の図鑑がそろってます。日々眺めては「カッコいいな〜」って(笑)。今の図鑑は撮影しているカメラがメチャメチャいいから、アップでも映えるんですよ。さらに頭の部分をCGカメラで撮ってピントを合わせたりしてるんで、迫力が半端ないですよね。