夢の世界の恋のお話を集めたアンソロジー。ジャック・フィニイ「愛の手紙」、今市子「百鬼夜行抄 鬼の嫁取り」などを収録。
2008年刊行。夢や不思議の世界で淡い恋心を抱く人々の話。
収録作品
・妄想家(『アンの村の日々』より) ルーシー。モード・モンゴメリ(1974)
・ダンヴェガンの妖精の旗 スコットランド昔話 ※訳:山室静(1976)
・チェリー(『幽霊の恋人たち サマーズ・エンド』より) アン・ローレンス(1987)
・鬼の嫁取り(『百鬼夜行抄』より) 漫画:今市子(1997)
・愛の手紙(『ゲイルズバーグの春を愛す』より) ジャック・フィニィ(1959)
昔話ばかりの特集。
夢の中の人物や、妖精、異界の存在、タイムトラベルなど、ファンタジー色満載のロマンチックなお話ばかり。
それぞれが特徴的な作品ばかりなので、いろんな雰囲気を楽しめる。
個人的に好きなのは、「鬼の嫁取り」。昭和の初期ごろの日本の話で、妖怪と人間の世界の接点があいまいだ。化け物に関わることで深刻な問題を引き起こすが、ところどころにユーモアがあり、うまい具合に息抜きになっている。他の作品が外国の話なので、ちょっと家に帰ってきたような安心感があった。
ロマンチックな恋愛のお話を、短編で読みたいときに。 (渡”邉恵’里’さん 40代・その他の方 )
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