「さあ、かあさん、ふたりで いこう。」 あるきながら サブロは、せなかの いすに こえを かけました。 サブロには、じぶんが せおっているのが、いすではなく、かあさんのように おもえるのでした。 「さあ、かあさん、ふたりで いこう。」 サブロは、せなかのいすに、こえをかけました。 いすに すわって いた かあさんは、もう いません。 でも、かあさんは、サブロの かえりを いつもこの いすに すわって、まっていて くれました。サブロが ちかづくと、りょううでを おおきく ひろげ、しっかり だきしめて くれました。 「おかえり、サブロ、おかえり」 サブロの せなかを なんども さすっていいました。 だいすきな かあさんでした。
やさしくて、生きるのが少し不器用な青年が、形見のいすとともに世の中を旅し、自分の居場所を見つけるお話。
小学校2年生の娘が、夏休みの読書に選んだ本です。
文字も大きく、挿絵もたくさんあるので、読書が苦手な娘も一気に読み切ることができました。
内容は民話風のおはなしなので、5年生のおねえちゃんも、読んで面白かったと言っていました。
お母さん思いの優しい少年が、自分の居場所を見つけるというおはなしなので、親としてもうれしいお話でした。 (クッチーナママさん 40代・ママ 女の子11歳、女の子8歳、男の子5歳)
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