トットちゃんは、小学校一年なのに、学校を退学になった。一年生で! 黒柳徹子の自伝的大ベストセラーを低学年向け絵本に再編集。
今回の『絵本 窓ぎわのトットちゃん』は、 「トットちゃんは、小学校一年なのに、学校を退学になった。一年生で!!」 という衝撃的な始まりです。 ママが新しい学校を一生懸命探した結果、「トットちゃんが気に入ったので」通うことになったのは、自由が丘のトモエ学園でした。電車を教室に使ったり、授業は好きな科目から勉強したり、昼休みは校長先生を奪い合って話を聞いてもらったり、とにかく何もかもがユニークな学校で、トットちゃんは情操豊かに、たくましく育っていきます。 学校にはそれぞれ自分の木があって、病弱な泰明ちゃんを、必死で自分の木に登らせ“ご招待”したこと、しかし彼は、やがて病気が悪くなって死んでしまったこと、障害児の高橋君が勝てるようなプログラムができていた運動会のことなど、子どものトットちゃんの心に刻まれたその時その時が、鮮やかに描かれていきます。 やがて戦争がトモエ学園に、トットちゃんの生活にも影を落とします。大岡山駅のキャラメルの自動販売機からキャラメルが出なくなり、パパがヴァイオリンで軍歌を弾きに行くか悩み、そして、とうとうトモエ学園は空襲で焼けてしまうのです。 黒柳さん自身が退学の事実を知ったのは、成人してからだそうです。そんなことは全然知らなかったトットちゃんは、どんなことを考えて、どんなことを感じて、毎日を思いっきり暮らしていたか、同じ年齢の子どもたちに、ぜひ読んでほしいと思います。2015年は終戦70年。戦争のことを考えるよすがにもなる絵本です。
「窓ぎわのトットちゃん」、私が子供の頃にも家に単行本があり、小学生の時に読んだ記憶があります。
こちらは絵本版の1・2巻セット。
お子さんへの読み聞かせにもぴったりではないでしょうか。
いわさきちひろさんの描くイラストも優しい。 (まゆみんみんさん 40代・ママ 女の子10歳)
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