ビクトリア朝のロンドンを舞台にくりひろげられる、史実をもとにした物語。 親もなく家もない13歳の少年イール。彼は、誰にも言えない秘密を抱えながら、日々の糧をみつけて暮らしていた。 夏の終わり、ねぐらにしているブロード街に、だれもが震え上がる「青い恐怖」がやってきた。それは、すさまじいスピードで町をおおいつくし……。 イールは、ジョン・スノウ博士の助手として、この恐ろしい病がどこからきたのかつきとめるため、奔走する。タイムリミットが迫る中、スノウ博士とイールは、感染源を特定し、それを証明できるのか……?
面白かったです。一気に読んでしまいました。
元々、コレラ菌を研究していて、飲み水の中に菌が存在するということを突き止め発表した“スノウ博士”の記録を読んだ作者が考えた創作物語だそうで、
基本となるスノウ博士のこと、スノウ博士の研究仲間や家政婦さんなどは実在した人物を使ったそうです。
コレラ菌がどんなふうにイギリスのブロード街付近で猛威を振るったのか、私はそこに住む主人公の少年イールと伴に、スノウ博士の助手として街を走り回っているような感覚になりました。
この物語はあくまでも物語として作られていて伝記っぽくはありません。
本文だけで287ページ、作者の後書きも入れると295ページとやや長めではありますが、内容的にはグイグイ惹きつけらる素敵な文章なので、あっという間に読み終えた感があります。
中学生、高校生くらいのお子さんたちにお薦めします。
千葉茂樹さんが邦訳しているので、とっても読みやすいです。 (てんぐざるさん 40代・ママ 女の子20歳、女の子15歳)
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