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土用の丑の日に、こぞって口にされるウナギ。実はとてもその謎の多いミステリアスな生き物だ。そして、ついに世界初の天然のウナギの卵が発見された!一方でレッドリストに掲載され絶滅の危機にもある。身近な生き物・食材から、科学的好奇心をくすぐる一冊!
中学生くらいの児童の読者を想定して書かれた科学の本で、2015年夏の課題図書(中学生向け)の1冊です。
中学生の子どもたちにブックトークで紹介してきました。
日本人は「うなぎ」と、いうとイコール蒲焼を想像するのが大半だと思います。
川の中、ましてや海の中で生活しているうなぎをパッと想像できる人なんているでしょうか?少なくとも、私は今まであまり意識して想像したことなかったです。
なんと、全世界の約70%のうなぎを日本人が消費しているそうです。
しかもうなぎはどんどん減り続け、“ニホンウナギ”に至っては、2012年に絶滅危惧氏に指定されてしまったそうです。
道理で年々「うなぎ」が高くなるわけです。
それでも、やはり日本人としては「土用の丑」のうなぎは止められない…。困ったもんです。
この本では、うなぎの産卵地を求めて研究する塚本先生を中心としたチームの長年の研究成果を中学生くらいのお子さんたちにもわかるように書かれた作品です。
本当にびっくりするくらい、分かり易い文章で、正直科学的なことが苦手な私でも、十分理解できましたし、とても楽しく読むことができました。
作品にはたくさんの図や絵や写真が載せられていて、書かれている内容がより分かり易く伝わるよう、配慮されていました。
「課題図書」ですが、そういうことを脇にしても興味深く面白い本です。
ぜひ、この機会に手にして読んでほしい1冊です。
合わせてもう少し年齢の低い子どもたち向けに、同じ研究所の黒木真理さんが書いた絵本「うなぎのうーちゃんだいぼうけん」もありますので、併せて読むと、よりうなぎに対しての理解が深まるかもしれません。 (てんぐざるさん 40代・ママ 女の子20歳、女の子15歳)
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