エリちゃんのカーデガンに5つ並んで付いている、ボタンのなかよし5人兄弟、 パッパ、ピピ、プー、ペーペ、ポッポは、「はる」を見たことがありませんでした。 あたたかくなると引き出しの奥にしまわれてしまうので「はる」をしらなかったのです。
ある日、エリちゃんが「もうすぐはるだね」といいました。 それを聞いたパッパは「はるって、どんなものだろう?」気になります。 「はるはあたたかい」 「はるは、とってもいいにおい」 「はるくがくるとうれしくなる」 おてんばのピピも、くいしんぼうのプーも、のんびりやのペーペ、すえっこのポッポも 想像をふくらませてかんがえます。 はるって……カーディガンみたいで、ホットケーキに似ていて、あしがあるものかな!?
文章を書いているのは「小学館おひさま大賞」受賞作家、あさのますみさん。 冬の間、エリちゃんを寒さから守るため、「きたかぜなんかにまけないぞ」と ボタンあなのなかでうんと胸をそらせる兄弟たちの、けなげで愛らしいことといったらありません。 さあ、ピューピュー吹いていた北風がやみ、おひさまが顔をだした日、 しばらく家を留守にしていたエリちゃんのおかあさんが帰ってきた日に パッパ、ピピ、プー、ペーペ、ポッポがはじめて見た「はる」とは、どんなものだったのでしょう?
人気絵本作家、荒井良二さんが描く、かわいい絵に、もう、夢中! 最後の場面では、思わず、はるってこんなにすてきなものだったのか!とつぶやきたくなりますよ。 もうすぐあかちゃんがうまれる家のお子さんにぜひ読んであげてくださいね。 ページからほんわりあたたかい温度がつたわってくるみたい。 いのちの訪れと、やさしさいっぱいの心をかんじられる絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
はるって、どんなもの?
パッパ、ピピ、ブー、ペーペー、ボッボは、エリちゃんのカーディガンに仲良く並んで付いているボタンの兄弟です。五人は冬中、エリちゃんを寒さから守っているのです。ある日のこと、エリちゃんが「春はもうすぐ」と言っているのを聞いた五人は考えます。「春ってどんなものかな?」暖かくなるとタンスにしまわれるカーディガンについている五人は、春を知らないのです。そんな時のこと、エリちゃんのお母さんが出かけて、何日も帰らない日が続きました。おばあちゃんと留守番をするエリちゃんが寒くないように、五人はいつもに増して、いっしょうけんめいエリちゃんを守ろうとします。そして、やっとお母さんが帰ってきました。お母さんがやさしくだっこしていたのは・・・
編集者からのおすすめ情報 「小学館おひさま大賞童話部門」受賞者のあさのますみさんと、絵本界のノーベル賞といわれる「アストリッド・リンドグレーン記念文学賞」受賞者の荒井良二さんのゴールデンコンビによる絵本です。絵本雑誌「おひさま」に掲載した際には、我が子が思いやりのある、やさしい子どもに育ってほしいお母さん方に大好評を博したお話です。
はるの絵本をさがしていたので、読んでみました。ボタンたちの視点でお話がすすむのですが、すごくかわいい! そして、みつけた春も、…なるほど! ほっこりするようなお話です。そして、なんといっても、色鮮やかなかわいらしい絵が素敵! はるらしくて、わくわくします。 (あんじゅじゅさん 50代・その他の方 )
|