「どうしてだろう?」「身の回りにあるもので何かを作ってみたい!」。 そんな気持ちが芽生えたときには、もう科学の入り口に立っている子どもたち。 楽しいおもちゃ作りと大好きな遊びを通して、科学となかよくなれるシリーズ、 第3巻のテーマは、子どもたちにもっとも身近な、風、空気、そして水です。
ひとたび吹けば、ものが動いたり飛んだり、風はとっても力もち。 姿も形も見えないけれど、はずんだり力を出したり…空気って本当に不思議。 形を変えたり大きな力を出したり、命を育んだり。水って、すごい! ふとした瞬間に風、空気、水が起こす現象を目の当たりにしてびっくりしたこと、小さな子どもたちもきっとあるはず。 とても自然でシンプルな力のように感じますよね。だからでしょうか、今回は登場するおもちゃも、とってもシンプル。 動きがおもしろいくるくる風車やモビール。ふわふわパラシュートはおもりの重さを工夫して。水を入れる量を変えたらどうなるかな?すいすい進む水力船! 素朴でちょっと懐かしいおもちゃはどれも、ペットボトル、牛乳パックにポリ袋…思い立ったら家にあるものですぐに作れちゃう。材料からつくり方までシンプルなのがうれしいのです。
だけどやっぱり、「不思議」についてもちゃんと知りたい。 どうして風は吹くの?寒い日にはく息が白いのはなぜ?お湯が出るときに、どうして泡が出るの…? 子どもたちの疑問にわかりやすく答えてくれる「科学者コラム」で風、空気、水の性質を理解すれば、もっともっと楽しい科学遊びが広がりそうです。
イラスト、そしておもちゃ制作はこばようこさん。 挿絵やおもちゃのデザインがかわいくて、絵本として眺めるのも楽しい一冊です。 そして3巻通して監修をされた塩見啓一さんからは、子どもたちに向けてこんなメッセージが。 「何かをわかることは、次の「なぜ?」を見つけることであり、 何かをできるようになることは、次のできないことに出会うことなのだと思います。」 作って、時に失敗して、じょうずに動いた時に「できた!」嬉しさを味わって。 この本を楽しむ小さな科学者たちが、これからもどんどん発見して、また新しい「?」に出会えますように。 親子で楽しむ自由研究にもおすすめのシリーズです。
(竹原雅子 絵本ナビ編集部)
風や空気、水をつかまえて、風車、空気砲、ふんすいなど自分だけのおもちゃを作り、科学を楽しく考えます。シリーズ第三巻。
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