『種をまく人』『風をつむぐ少年』に続くポール・フライシュマンの最新作。「心の目」で想像力の旅、ナポリ、フィレンツェへ。
下半身麻痺となり、老人がほとんどの療養所に入居する、まだ16歳の女の子、コートニーと88歳の元教師の女性、エルヴァとの出会い。
2人は、ガイドブックを読みながら、想像の中で、イタリア旅行を始める。
ちょうど、我が家の娘も春休み中に、イタリアに旅行に行き、行きたいな、と思っても、諸事情で行けない私は、内心うらやましくてたまらず、活発な娘を見て、何となく鬱々とした気持ちになっていた時にこの本を読んだ。
でもこの本を通して、エルヴァの豊かな人生に触れた。彼女の頭の中には、読書を通して得た想像力が詰まっている。そして、それをエルヴァは、生きる力に変え、イラつくコートニーの心の目を開かせていく。
想像力って人を強くするものだな、と思った。コートニーのような極めて厳しい障害ではなくても、人は誰でも自分の運命や、境遇を受け入れられないことがある。でも、想像力を使って、自分を頼みとして生きていこうと思う。
そして、エルヴァのような人は、私のまわりにも、いる。その方たちを人生の道標として、時には、弱くなることはあっても、また顔を上げて、心豊かな人生を送り、いずれは、エルヴァのように、人を導ける存在になっていこうと決意した。 (ドーナッツさん 50代・ママ )
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