いま、地球上に生きているアホウドリは、わずか四千羽ほどしかいません。しかし、そのほとんどのアホウドリが卵を産み、ひなを育てる伊豆諸島の鳥島は、火山の噴火の可能性がある危険な島。もしも、アホウドリが子育てしている時期に大きな噴火があったら、たくさんのアホウドリが命を落とし、アホウドリは絶滅してしまうかもしれません。そこで、噴火の心配のない小笠原諸島の聟島にアホウドリのひなの一部を引っこしさせ、人間の手で育てて巣立ちをさせるという、前代未聞の計画がおこなわれました。この本は、一時は絶滅してしまいそうになったアホウドリと、NHKスペシャルでも紹介された、聟島で親鳥の代わりとなって人がひなを育てるプロジェクトに参加した著者が、自ら撮影した写真をふんだんに使って語る記録です。
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