はなちゃんのお母さんが、赤ちゃんと一緒に帰ってくる日。 おばあちゃんは「よく まってたねえ えらいよ さすが おねえちゃんだ」と言うけれど、はなちゃんは「まだ おねえちゃんじゃ ないもん」と、ネコのクロと一緒に隠れてしまうことにしました。
隠れる場所を探すはなちゃんは、イヌのシロや鳥に出会います。 「あかちゃんが きても みんな わたしのこと だっこしてくれる?」 「あかちゃんが きても みんな わたしのこと かわいいねって いってくれる?」 赤ちゃんが来ることに対する不安な気持ちを、イヌや鳥たちに伝えるはなちゃんは、みんなの答えを聞いて、次第にお姉ちゃんになることを実感し、受け入れていきます。
「あかちゃんは わたしと いっしょに あそんでくれる?」 「わたし おねえちゃんに なれる?」 隠れながら考えるはなちゃんを、見つけてくれるのはやっぱり……。
お兄ちゃん、お姉ちゃんなら、一度は感じたことのある、弟や妹ができるときの不安や緊張感……。お子さんによっては「赤ちゃん返りをしてしまい、大変だった……」というご家庭も少なくないのではないでしょうか。 周りから一心に受けていた愛情が取られてしまうかもしれないという、言葉にできない心情を、美しい色合いとまっすぐな文章で綴った作品です。
コラージュを使った色とりどりな世界は、見ているだけでも鮮やかさと暖かさを感じることができます。最初は不安で暗い表情をしている女の子が、徐々に笑顔になり、全身で喜びを表現している姿は、眺めているだけで心が浮き立ち、爽快感を感じることでしょう。
自身も四人姉妹の長女という松田奈那子さん。お姉ちゃんになるときの不安な気持ちや、決心は、松田さんご自身の実体験がベースになっているのかもしれません。
(木村春子 絵本ナビ編集部)
赤ちゃんがくるからかくれちゃえ! はなちゃんは、まだお姉ちゃんじゃないもん、といって、ネコのクロと一緒にかくれる場所を探します。でも、森で出会った動物たちは、赤ちゃんのことを相談するはなちゃんに、あたたかい言葉をかけるのでした……。赤ちゃんがくる日、変化にとまどう女の子が、自分やまわりに問いかけながら、お姉ちゃんになることを受け入れていく。一瞬の成長物語を、色彩豊かな絵巻物のように描いた絵本です。
『ふーってして』『ぱったんして』の松田奈那子さんの作品ということで興味を持ちました。
お母さんが新しい赤ちゃんと一緒に家へ帰って来る日。はなちゃんははお姉ちゃんになったということをまだ受け入れられず、猫のクロと一緒に隠れます。
「赤ちゃんが来てもみんなわたしのこと抱っこしてくれる?」「かわいいって言ってくれる?」と、心配そうに動物や鳥たちに聞くはなちゃんが愛おしいです。
長女に妹ができたときのことを思い出し、ジーンとしてしまいました。 (クッチーナママさん 40代・ママ 女の子17歳、女の子15歳、男の子12歳)
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