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うたをうたうといいよ。かなしいときはね、すきなうたをうたうと、じかんがたつよ。
人里離れた小さなお寺でのサマーキャンプを通し、人の優しさを知る、感動の物語。 心の中の小さなあかりを丁寧に描いていく、注目作家市川朔久子の4作目。
「親子は縁だ。・・・ただのつながりだ。それ以上でもそれ以下でもない」
「愛とか絆とか、そこに意味を持たせようとするから、なんだかおかしなことになる。・・・ないものをあると仮定するからゆがむ。苦しむ」
最後近くの、このタケじいの言葉が心に残りました。親子関係で悩んでいる、親である人も子である人も、このことを知っていればもう少し楽になれるかもしれません。親子の関係は、単純でいて実は難しいものだと思います。いろんな意味で。
夏芽や雷太の傷ついている心が、田舎のゆったりとした空気と穏やかな人間関係の中で、温かく包まれている様子が良かったです。 (なみ@えほんさん 50代・その他の方 )
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