妖しく美しく罪深き女かぐや姫と、それに恋焦がれる男たち…。雅でありながら斬新で、切なくも面白く、皮肉とユーモアに充ちたこの物語を、恋愛小説の名手・江國香織と浮世絵版画の匠・立原位貫が甦らせる。
立原位貫さんの「絵巻竹取物語」と、江國香織さんの現代語訳「物語竹取物語」の二本立て。
味わい深い幽玄の絵の世界と、現代的な語句を用いて、物語を解りやすくまとめた世界の落差が印象的です。
江國さんの文章は、淡々とした解説文のようで、感情の起伏や心情的な深みを抑えているので、解りやすいけれど物足りない感じがしました。
ですが、アレンジされた「かぐや姫」の世界と、古典「竹取物語」を結びつける試みとして、ヤングアダルト向けの絵本として、面白い作品だと思います。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
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