山梨県の八ケ岳に引っ越した写真家の増田さんが、そこで出会ったニホンリスの愛らしい生態を記録した、感動あふれる写真絵本。
山梨県小淵沢の森に住み、動植物の写真を撮り続けている作者による写真絵本です。
警戒心の強いリス。子どものリスに出会えるチャンスはほとんどありません。その子リスとの感動的な出会いと、彼らが懸命に生きる姿を、美しい写真でつづります。事実の記録だけに、強く訴えてくるものがあります。
森にはリスの天敵も住んでいて、彼らに食べられてしまうリスも中にはいます。真っ赤な血の跡が残る「たべられたあと」の写真を、娘はじっと見つめていました。このように、自然には時として残酷な面がありますが、それ以上に残酷なのはおそらく人間…。
あとがきでは自然環境破壊への批判が静かに語られます。
「人間が行き過ぎた行為をしても、彼らは文句を言いません。無言でその場を立ち去るだけです。しかし、彼らが去っていくのをそのまま見ていてよいのでしょうか?」
娘と共に、この問いかけを心にとどめたいと思います。 (わらはべさん 40代・ママ 女の子6歳)
|