作曲:遠藤里美 演奏:biobiopatata・伴瀬朝彦 投影:フジコ.M.フジコ
ぼくが道の途中で出会ったのは、持ちきれないほどの大きな赤いぼーる。ぎゅっとつかんだまま、おかあさんの自転車のうしろに乗っていたら、坂道をくだる勢いで、ぼくごと……飛んだ!
そしたらね、空に浮かんだぼくにぼーるが話しかけてきたの。 「くもと あそんでゆこう!」
ホワホワモコモコまっしろなくもたちに、赤いぼーるはよく似合う。 おおきなしろうさぎの目になったり、ショートケーキのいちごになったり。野球遊びだってできちゃうよ。さんかくのくもには、ぼくとぼーるでおにぎり! ところが、あまりに美味しそうな出来上がりに、くいしんぼうのおおざるくもが追いかけて来た!?ふわりふわりのぼくとぼーる、ちゃんと逃げられたのでしょうか。
クレヨン画家・加藤休ミさん、最新作の舞台は空の上。柔らかそうだけど厚みのある真っ白な雲の表現が、意外な程しっくりきていてます。子どもらしい豪快さとのびやかさ。なおかつやっぱり美味しそうなところが期待を裏切りません。
さて、思いっきり飛びまわった後には自転車の後ろの席にもとどおり。いつのまにかぼーるもちょうどいい大きさになって。これからはふたりで遊びます。おかあさんの知らない、ぼくとぼーるの特別な時間。いいね、いいね。そんな体験をしている息子の姿は、例え絵本でしか見ることができなくっても嬉しいものですよね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
クレヨン画家・加藤休ミが描く、のびやかな雲の世界。
「こんなに おっきな ぼーる みつけちゃった」 あかくて おっきな ぼーるを みつけた おとこのこ。 ところが さかみちを おりているときに かぜのいきおいで ぼーるが!!! ぼーるとぼく そらにうかんじゃった……。 次々形を変えていく雲とのごっこ遊びを、 くたくたになるまで楽しんで。
「きょうのごはん」や「りきしのほし」の作者、加藤休ミさんの作品ということで、興味を持ちました。
大きな空に伸びやかに広がる、真っ白くてふわふわの雲。
そこに真っ赤なボールが入り込むと、ボールが目になった白うさぎになったり、ショートケーキになったり、梅干しおにぎりになったりするのです。
その白と赤のコントラストが綺麗で、見ていて清々しい気持ちになりました。
スケールが大きくて、のびのびしていて、とても気持ちの良い絵本です。 (クッチーナママさん 40代・ママ 女の子16歳、女の子13歳、男の子11歳)
|