ここにございました七人の神様。 「七福神」というユニットを組みまして、毎日毎日、寝る間もおしんで働いておられます。 そんな七福神さんの年に一度のお楽しみが、七人集まっての慰安旅行。 今年の行先は笑いの街、大阪! いったいどんな旅になるのでしょう?
上方落語作家の著者が描く、一泊二日、神さまたちの観光珍道中! 七人とその他ゆかいな登場人物たちによる関西弁の軽妙な掛け合いは、落語かコントを見ているようです。
この作品のみどころは、なんといってもキャラクター! 典型的な大阪のおばちゃんとして描かれる「弁天さま」や、いっつもみんなに忘れられちゃう、影が薄くてネガティブな「寿老人さま」など、今までのイメージをぶちこわす七福神像には、抱腹絶倒まちがいなし! 頭のながぁーい福禄寿さまに至っては、女子高生にからまれていっしょにプリクラをとったり、ネットで調べたホットケーキのおいしいお店に行ってみたり、なんとも若々しいかぎり。 そのうえこの七福神さま、ラインで連絡を取り合うし、ユニバーサルスタジオにいってハリー・ポッターのコスプレまでしちゃうんです。
そんな個性爆発の七人がお笑いの街をゆけば、これでただの旅行になるはずがありません。 半ページさえ飽きさせる隙なく、みっちりと詰め込まれたギャグとアクシデントのオンパレード! 加えて本作は一般的な小説形式ではなく、まさしくコントや落語の脚本のようにして、ほとんどが会話でのやりとりによって構成されています。 そのため読み口も軽く、めまぐるしく展開する怒涛のシナリオと相まって、ページを繰る手が止まりません!
また、七福神が見て回る大阪の街並みやその歴史についての描写も、この作品の魅力です。 天神橋筋商店街、天満天神繁昌亭、造幣局の「桜の通りぬけ」など、実在する大阪名所が次々登場! まるで七福神といっしょに大阪の街を観光しているような気分になってきます。 実際の風景と照らし合わせて読むのも、楽しいかもしれませんね。
さてさて、次の幹事を任された福禄寿さま。 手にはなにやら一泊では済まなそうな旅行先のパンフレットが…。 次はどんなドタバタ旅行になるのでしょう? 来年の慰安旅行が、七人にも増して楽しみになってきてしまいました――。
(堀井拓馬 小説家)
おめでたい7人の神様、七福神が大阪へ1泊2日の慰安旅行に出かけました。最初は、遊覧船に乗って川から市内見物。すると、神様たちは勝手に船を宝船に改造して大はしゃぎ。陸に上がれば、花見や商店街の食べ歩き。 出会った人々に福をさずけながら巡ります。2日目のお目当ては、テーマパークのUSJ。そこで目にした怪しげな魔法のお城。子どもたちを怖がらせてはいけないと、真っ白な和風の明るいお城に変えてしまって大失敗。子どもたちや職員さんから怒られて…
台本のような脚本のような構成で、登場人物のアイコンの下にセリフが書かれています。
神様たちは関西弁です。
はじめは読みづらかったです。
慣れてくると面白くなりました。
◯◯新喜劇みたいな感じでした。
例えば続編で東京ツアーとか札幌ツアーとかあれば、読んでみたいと思います。 (みいのさん 60代・その他の方 )
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