どうしてきみひろくんは、ぼくにだけうそをつくんだろう?
小学校2年生のぼくには、きみひろくんという友だちがいる。ぼくの家のむかいのアパートに住むきみひろくんは、スポーツも勉強もできる優等生で、同級生だけでなく、保護者や先生までもが、きみひろくんのことを大好きで、尊敬している。でも、そんなきみひろくんには、「ぼくにだけうそをつく」という、ちょっと困ったところがある。きみひろくんのうそは、だれも傷つけないし、ちょっと笑っちゃうようなうそだから、ぼくはいちいち、指摘なんかしなかったけれど、ある日突然「ぼくのお母さん、本当のお母さんじゃないんだ」という、本当なのか、うそなのか、ちょっとわからないことを、きみひろくんは言いだしてしまった。 満月の夜に「公園の土管をくぐって、アメリカにいる本当のお父さんに会いに行く」というきみひろくん。きみひろくんのことが心配で、どうしても一人で行かせられないと思ったぼくは、彼と一緒に夜の公園にむかった。アメリカに行くために、真っ暗な土管のなかに入ったぼくと、きみひろくんは……。
きみひろくんとぼく。ふたりの物語をとおして、読者に「友だち」や「家族」について考えるきっかけを与える児童文学です。 作品の世界を見事に描いた中田いくみさんによる挿絵を見開きごとに載せているので、最後まで楽しく物語を読みすすめることができます。
このお話のなかでは、きみひろくんが「とても良い子、優等生」として描かれていましたが、私はきみひろくん以上に、主人公の男の子「ともくん」が良い子だと思いました。きみひろくんはともくんがいるから良い子でいられる、笑っていられる。きみひろくんとともくんにはずっとずっと仲良しでいてもらいたいです。 (さくらっこママさん 30代・ママ 女の子8歳、男の子5歳)
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