わたしたちは、今、史上最良の時代を生きている――。 過去を理想化して進歩を否定、未来は衰退に向かうと主張する反啓蒙主義の 嘘・誤りを、データにより明らかにする。
世界の状況を正しく評価するにはどうしたらいいのだろうか。 答えは「数えること」である。今生きている人が何人で、 そのなかの何人が暴力の犠牲になっているのか。 何人が病気にかかり、何人が飢えていて、何人が貧困にあえぎ、 何人が抑圧されていて、何人が読み書きができず、何人が不幸なのか。 ……これは実は道義的にも賢明な方法だといえる。 なぜなら、身近な人を優先するわけでも、テレビ受けする人を 特別扱いするわけでもなく、一人ひとりの価値を平等に扱う取り組みだからだ。 ――本書より
ポピュリズムの隆盛により、民主主義の死はもはや決定づけられた。 世界人口の増加により、今世紀中の食糧危機の到来は間違いない。 地球温暖化も核兵器拡散も、解決の糸口はまるでつかめていない。 ……というのは本当だろうか。 若い人はポピュリズムを支持しておらず、世代交代とともに衰退する可能性が高い。 世界人口が増加しても、農業の進歩により飢餓に苦しむ人の数は大きく減少している。 温暖化も核兵器も現実の脅威だが、GDPあたりの二酸化炭素排出量は減少しており、 また世界の核兵器の数は近年減少し続けている。決して解決できない問題ではない。 データを用いて、無根拠な「衰退の予言」の欠陥を指摘し、 啓蒙の理念による進歩の重要さを説く。 世界をよりよいものにする意志に満ちた、世界的ベストセラー。
<目次より>第一六章 知識を得て人間は賢くなっている 第一七章 生活の質と選択の自由 第一八章 幸福感が豊かさに比例しない理由 第一九章 存亡に関わる脅威を考える 第二〇章 進歩は続くと期待できる 第三部 理性、科学、ヒューマニズム 第二一章 理性を失わずに議論する方法 第二二章 科学軽視の横行 第二三章 ヒューマニズムを改めて擁護する
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