生命とは何か? それはどこで、どのようにして生まれたのか? この「究極の謎」に、人類はいまだに答えられていない。
だが近年、「生命の起源」をさがす研究は大きな動きをみせている。 たとえば、生命誕生の地は従来、「海」が最有力とされてきたが、 最近では「陸」が、さらには「宇宙」が支持を集めつつあり、 「宇宙生物学」といわれる分野で活発な研究が進められている。
その一方では、「生命の起源がわからないなら、つくってしまおう」 という考え方が現れた。時計の仕組みを知るためにまず時計をつくってみて、 そこから仕組みを考えるように、まず「生命の起源」をつくろうという発想だ。 これが、現在の生命科学で最も注目されている「合成生物学」である。 その発展は目ざましく、「5年以内」に人工生命の実現をめざす研究者もいる。
そのとき我々は、その「生命」を「生命」と認めることができるのだろうか? 研究室で「生」と「死」の試作を続ける最先端の科学者たちは、 「生命」をどのように考えているのだろうか? 科学だけでは割り切れない「究極の謎」に、気鋭の作家が挑む渾身作!
(本書の主な内容) ●「がらくた生命」は存在するのか? ●キッチンでつくれる「人工細胞のレシピ」 ●光合成をして「成長」する人工細胞の登場 ●フランケンシュタインの大腸菌 ●人工細胞・人工生命の「慰霊碑」 ●生命に刻まれた宇宙の非対称性 ほか
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