「東京五輪はなぜ、幻となったのか」 東京オリンピックを控え、警視庁の十津川警部は、警備計画や、観客の輸送計画連日、討議を重ねていた。 そのなかで、十津川は、昭和十五年に東京で開催が予定されていた、アジアで初のオリンピックについての調査を命じられる。 この大会は、日中戦争の悪化で、開催直前に「返上」となる。招致成功から返上までの「失敗の研究」で見えてきたものとは?
東京五輪を控え、日中戦争の拡大に悩む五輪宣伝担当の古賀は、叔父の友人でソ連の軍備増強を憂う石原莞爾と停戦を画策。 古賀はアメリカ大統領から、天皇宛の親書を入手する。 石原莞爾、昭和天皇、アメリカ大統領の戦時下の思惑とは――。 十津川警部がその謎に迫る。
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