仏道の究極の目標ともいえる「解脱」。それは「全人格的思惟」の実習を通して形なきいのちであるダンマが生の根源態である「業熟体」に顕現することであるとは、いったいいかなる事態なのか。徹底した禅定実践と学問研鑽によって仏道を求め、かくして到達したブッダの解脱に基づき、東西の思想・哲学・宗教・科学世界を語り、そして一切の枠組みを超えた真理を究明する。 稀有の求道者の今生の到達点を示した最後の書。
解説=丘山 新
《目次》 【第T部】 第一章 解脱への道 一 解脱とは何か 二 ブッダの解脱の重大問題 三 重大問題に対する解答―私自身の禅定― 第二章 仏道の原態 一 解脱の原点 二 ダンマの顕現と人間の本性 三 ダンマ・如来の無限活動 第三章 仏道の基幹線 一 業熟体 二 目覚めていく経路 第四章 宗教を超える真理 一 いのちの開示 二 ブッダとキリスト 三 パウロ 四 ソクラテス 五 孔子 六 まとめ 【第U部】 第五章 人類学とヒトの特徴 一 二つの路 二 科学的世界観と縁起説 三 アウストラロピテクスからネアンデルタール人へ 四 後期旧石器時代 五 ヒトの特徴 第六章 科学といのちとの和解を目指して 一 はじめに 二 医学的生命といのちとの和解 三 科学的宇宙観といのちとの和解
本書の成り立ちについて
解説 わが師、玉城康四郎 求道の生涯 丘山 新
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