陸にはホタル、海にはクラゲ。星のように光る彼らは、その美しい輝きで人間たちを魅了します。
ところが広い世界には、光る生きものがまだまだたくさん! イカやウミホタルは聞いたことあるけど、ミミズにサメにカタツムリまで!
知られざる光る生きものたちを紹介。彼らはなぜ光るのか? いったいどうやって光っているのか? 光る生きもの徹底解剖の図鑑絵本!
光る生きものには、美味しいやつも!? 食卓にならぶ、あの生きものも実は光る!
深海で光るのは、敵から隠れるため? でも、ふつう光ったら目立つんじゃ……? 深海の環境が生んだ、妖しい光の忍術とは?
思わずうなる新事実! 光る生きものにまつわる興味深い知識がこれでもかと詰まっています。
なんと、彼らの「光る技」はときに人の生活にも深く関わり、人間を助けています。
たとえば、まるっこくてかわいいヒカリダンゴイカ! その体が光る仕組みは、病原菌が毒を出すメカニズムを解明するヒントになり、それを利用して薬が開発されました。また、オワンクラゲの発光の仕組みの解明は医学の発展に大きく貢献し、その研究者である下村脩博士はノーベル化学賞を受賞しています。
また、光る生きものにまつわる写真も見応えたっぷり!
ウミホタルの光で波が青く輝く、夜の海岸。淡くグリーンに光るキノコで覆われた、暗い森の樹。二色の光を放ち、夜の鉄道を走る列車のように見える鉄道虫。幻想的な写真がたくさん掲載されていて、それらを眺めているだけでもたのしいです!
巻末では、ウミホタルの捕まえ方や観察の仕方、イソミミズの光らせ方など、じっさいに光る生きものと触れあうために必要な道具や手順が、くわしく解説されています。
生きるために光を放つ生きもの、というユニークな視点からまとめられた図鑑絵本。光る生きもののきれいな写真が見てみたい、という興味にはもちろん、学習! 実験! 観察! とドップリその世界をきわめたいという気持ちにも応えてくれる、充実の一冊です。
(堀井拓馬 小説家)
発光生物研究で、世界で活躍する研究者である著者が、長年の研究と世界中につながる研究者のネットワークから得た貴重な最新情報と写真をもとに、光っている状態と通常の状態をくらべる図鑑として発光生物の生態に迫ります。また、発光のしくみから、科学への応用例についてもイラストと写真でわかりやすく解説。さらに、発光する生きものの見つけ方、お刺身で光らせてみるなど、子どもたちが取り組める「実践編」や発光生物が見られる施設の情報も掲載。ノーベル賞受賞の下村脩博士の研究分野としても注目の生きもの図鑑です。最近開発に成功した「光る植物」の写真も掲載!ホタルやクラゲ、きのこ、深海生物まで、光を発する生きものたちの生態に貴重な写真で迫る美しい図鑑。何のために光り、どのような仕組みで光るのか、発光する生きものの謎を解き明かします。生きるための知恵がつまった魅力的な発光生物の世界へご案内。
|