飛行機は、これまでになく高く遠くへ 『パイロットマイルズ』【NEXTプラチナブック】
ぼくの大切な家族、犬のマイルズ。だけどマイルズは、まえみたいにボールをおっかけなくなったし、呼んでも聞こえないことがある。
「なにか元気になるような、あたらしいものがいるわね」
おかあさんがいうので、ぼくはおとなりのバディさんのうちに行ってみた。前にマイルズに車をつくってくれたことがあるバディさんは、今度はマイルズに飛行機を用意してくれた。マイルズは飛び方をすぐ覚え、疲れたからだをいたわりながら、何度も飛んだ。そして、ある晴れた日、マイルズは飛行機に乗りこみ……。
2019年に亡くなったジョン・バーニンガムの未完の構想をもとに、妻のヘレン・オクセンバリーと旧友のビル・サラマンが描きあげた愛犬マイルズの物語。前作『ドライバ―マイルズ』で自由気ままに車で走り回った犬のマイルズは、今回、飛行機を手に入れ、ふたたび自由に空をとびまわる。だけど、その姿にはある決意のまなざしが見てとれる。
ところどころに挟みこまれる、バーニンガムの描いた印象的な絵。その間を埋めるように、つながるように、丁寧にオクセンバリーの絵が物語を語っていく。マイルズの決意はバーニンガムの決意と重なっているようにも思え。
大切な家族との別れ。でもそれは決して後ろ向きなことばかりではなく、残された人の心を救ってくれることだってある。愛犬マイルズを主人公にしたこの絵本は、ふたりの作家を愛する全ての読者の心を揺さぶってくるのです。谷川俊太郎の日本語訳が心に響きます。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
犬のマイルズは まえみたいに ボールをおっかけなくなった。 よんでもきこえないことがある。 マイルズは ひこうきを てにいれた。 あるはれたひ、 マイルズをのせたひこうきは そらをとんだ……
2019年に亡くなったジョン・バーニンガムの未完の構想をもとに、妻のヘレン・オクセンバリーと旧友のビル・サラマンが描きあげた愛犬マイルズの物語。 『ドライバ―マイルズ』で自由気ままに車で走り回った犬のマイルズは、今回、飛行機を手に入れ、ふたたび自由に空をとびまわるようになった。そしてある日……
いつかはやってくる大切な家族との別れ。 谷川俊太郎の日本語訳が切々と心に響きます。
以前、バーニンガムの『ドライバーマイルズ』を読んだので、これはきっとその続きのお話だな!と嬉しくなりました。
バーニンガムの死後、奥様のヘレン・オクセンバリーと友人が続きを書き上げたそうです。それを知ってから読むと、胸が熱くなりました。
3枚ほどバーニンガムの絵も採用されていて、あ、このページがそうだなとすぐわかりました。
大切に読んでいきたい絵本です。 (クッチーナママさん 40代・ママ 女の子18歳、女の子15歳、男の子12歳)
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