寛永の大飢饉を経て幕府により小農民の維持育成等の勧農政策が推進されるなか、戦乱がなくなり恩賞による知行地拡大が望めなくなった領主たちは、新田開発や用水工事等により領内を開発することで実質的な領地拡大を図り、近代幕藩体制の基礎が築かれた。
元禄時代には、〈犬公方〉綱吉のもと、戦国の遺風「かぶき者」が一掃され、赤穂浪士の仇討ちが起こる。一方、井原西鶴の草子、近松門左衛門が戯曲を書いた人形浄瑠璃や歌舞伎、松尾芭蕉の俳諧など、町人文化が花開く。
原案執筆・高埜利彦
〈目次より〉
序章 寛永の大飢饉
第一章 村のしくみと生活
第二章 明暦大火と江戸の町
第三章 江戸の復興と家綱の政治
第四章 進む開発
間章 かぶき者の終焉
第五章 大老政治から綱吉専制へ
第六章 生類憐みと服忌令
間章 芭蕉・西鶴・近松
第七章 朝議復興と忠臣蔵
第八章 元禄の貨幣改鋳
解説・高埜利彦
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