森のそばにある畑で、焼き芋をするらしい。そんなうわさをきいたのは、いつも仲良し3人組の、のんびりなマコト、元気いっぱいのコウ、正義感の強いチコ!
でも、森は危ないからいったらダメって言われているし……。 それにチコは、焼き芋なんてほんとうにするのかと疑っています。そこで3人は、それぞれうわさについて家族にたずねてみることに。
ところが、話を聞くほどに「焼き芋のうわさ」がほんとかどうか怪しくなってしまって、がっかり。うわさははやとちりだったのだとあきらめかけた3人でしたが、そのとき、思わぬ出会いがあって……焼き芋を食べられると思ったのに、なぜだか花壇にパンジーを植えることに!?
個性いろいろな三人組が、「はやとちり」から意外な出会いと体験をはたす物語です。
いちいちケンカにまちがわれるほど、まっすぐに意見をぶつけ合う仲良し三人組の、デコボコなキャラクターがみどころ!
物語終盤、公園からの帰り道でマコトが夕焼けのうつくしさに見とれているシーンでは、コウもチコもてんでばらばらにしゃべっていて、夕日なんて見ていもいません。
「まあ いいか。 気になることが それぞれ ちがうけど、いろんなことが わかったんだから」
焼き芋がどうしてパンジーになってしまったのか? 思わぬ展開も全力でたのしみきる三人組に、元気をわけてもらえるにぎやかな1冊です。
(堀井拓馬 小説家)
ぼくとコウくん、チコちゃんは、1年生の仲良し3人組。コウくんが、サツマイモ畑でやきいもをするので、いっしょに行かないかと誘ってきた。 3人は公園に集まったが、もうサツマイモ畑はなくなったらしい。コウくんのはやとちりだった。 公園の花壇で作業をしていたおじいさんが尻もちをついたので助けると、前に畑でサツマイモをつくっていて、いもほりややきいもをしたことがあり、今は花を育てていると言う。おじいさんは、公園のかれたコスモスを片付けて、パンジーの苗を植えるので、3人は手伝うことになる。 パンジーは3つの輪のように植えられ、まるでダンスをしているように見える。3人は、「チェッチェッコリ…」と歌いながら踊りだす。おじいさんも知っている歌だった。 翌日、学校へ行くと、おじいさんは担任の先生の知り合いだったことがわかり、3人はびっくりする。
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