本書の主人公、まりかは小学校に入り、いろいろなことにお金がかかることに気づきます。そして、お金について調べていくうちに、「ひんこん」の存在に気づきます。どうしてそうなってしまうのでしょう?
日本の子どもの貧困率は先進国の中でも高いといわれています。一時期と比べると低下してきているものの、依然として高く、コロナの影響で高まることが懸念されています。特に、相対的貧困の生活水準で暮らしている世帯の半数がひとり親世帯であり、この世帯の生活水準が一層低下する恐れがあります。 そういう現実があるということを、親と子はどう考えていくべきなのでしょうか? 本書を通じて、まずは基本的なことを知ったうえで、親子で一緒に「貧困」や「格差」、「公平」について考えてみましょう。
最近ニュースで貧困という言葉がよく出てきますし、「子どもの?」がつくことが多いので、この本の読み手対象の小学生には興味を持つ話題だと思います。
ただ実際には「ひんこん」の言葉の意味をわかっていない子が多いでしょうし、その状況や要因はさまざまですから、どこまでわかりやすく伝えるか、執筆された阿部さんはじめ編集者の方々は苦心されたでしょう。
全体を読んで、細かなことにはふれず、いい意味でざっくりと書かれているのがよかったと思いました。
この本を読んだ子がさらに、日本の子どもの貧困に関心を持って、ニュースを見たり話を聞いたりして、いろんな厳しいケースがあること、それに対していろんな取り組みをしていることを知ろうとする、そのきっかけになればいいと思うので。
ずっと会話の形で書かれているのも読みやすいと思います。
小学生の子たちが自分のこととして受け取り、自分に何ができるかを考える「教科書」になると思いました。大人の私が読んでも十分読みごたえがありました。 (よし99さん 50代・じいじ・ばあば 女の子0歳)
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