小学生のともくんは、おかあちゃんといっしょに暮らしているふつうのこ。 でも、3人目の家族である「みけねえちゃん」はおしゃべりができるすごい猫なのです。
そんなともくんの家に、あすかくんがやってきました。あすかくんは、ともくんのひとつ下の小学1年生。お母さんのあかねさんが手術で入院する間、ともくんの家でいっしょに暮らすことになったのです。 ともくんは、張り切っておにいちゃんになる練習をしたのに「でき」は今ひとつ。弟役のみけねえちゃんも、今ひとつ。でもね、「気持ち」は十分あるんだからだいじょうぶ。そんな風にともくんとあすかくんを見守るみけねえちゃんは、弟じゃなくて、やっぱりおねえちゃんなんですね。
そんなみけねえちゃんですから、おかあさんの気持ちにもすぐ気づいて、そっとそばに寄り添ってくれます。すっごく強いわけでも、すごく頼もしいわけでもないのだけど、そばにいてくれるだけで安心できるみけねえちゃん。そういうところがとっても猫らしくて、だからやっぱり、猫が好きになっちゃいます。
(近野明日花 絵本ナビライター)
ともくんのうちで年下の男の子を預かる事に。「おにいちゃん」を頼まれたともくんは、その理想像に自分がなれるのか、ドキドキが止まりません。自信がなくてもだいじょうぶ。みけねえちゃんがいるよ。いっしよにさぐっていこう!
編集者コメント 相手の話をとことん聞き、時にドキッとするような飾りのない言葉をかける、みけねこのみけねえちゃん。その真摯さは、人間がややこしくしがちなことをもシンプルに解きほぐしてくれます。本作では、怯えをかかえた年下の存在への接し方に悩み奮闘する、年上の自己肯定感に寄り添います。どんなあなたもあなたに違いないこと、存在するだけでありがたい存在であること…みけねえちゃんの唯一無二の眼差しがやさしく包んでくれます。
|