ナチズムに民衆を魅惑させた、意外なものの正体は何か。ホロコースト史研究の権威が第二次世界大戦後の映画・小説等を分析しつつ迫る。
=== 何によって民衆はナチズムに魅惑されたのか。本書は、第二次世界大戦後につくられた映画・小説等を中心に言説分析を行うことにより、ナチスに魅入られた大衆心理の意外な正体を暴きだす。『地獄に堕ちた勇者ども』『リリー・マルレーン』『ブリキの太鼓』『ヒトラー、あるいはドイツ映画』等の作品中に、記憶と想像力によって再構成された第三帝国の姿。そこから照射されてくるのはキッチュと死という二要素の「完全な綜合」であり、それこそが第三帝国の美学の本質であると、ホロコースト研究の大家である著者は喝破する。ナチズム研究にいまなお影響を与え続ける古典的名著。 解説 竹峰義和
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イメージ読解と言説分析が暴く 民衆を魅惑したものの正体!
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【目次】
序 論 第一章 ナチズムの美学と言語──キッチュと神話と死 第二章 二つのヒトラー像──キッチュとニヒリズムの魅惑力 第三章 悪魔祓いの諸形態──言語の麻痺と新たなディスクール 第四章 ナチズム解釈の問題点──綜合的視点の必要性
新たな訳者あとがき 文庫版解説 キッチュと死の弁証法──ソール・フリードレンダー『ナチズムの美学』の射程 竹峰義和
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