赤と青の色鉛筆が走り出すと、赤と青の2本の線が、くねりながら、はねまわりながら、一筆描きで様々な形を作っていきます。雲や波になったり、鳥、イルカ、ペンギンなどいろいろな動物になったり……。やがて森の木々になり、森がぐんぐん深くなると、まっ黒の闇を背景に、コウモリ、ミミズクの姿へと、赤と青、2本の線の旅は続きます。版画・ポスター・立体等で活躍するU.G.サトーの絵本。
これほどのセンスの良い絵本をみたことがない!って
言うくらいの絵本でした。
グラフィックデザインの真髄を見せ付けられたっていう感じです。
“あか”色と“あお”色が散歩に行くのですが、時には
交差しながら、空へ海へ陸へ...と範囲を広げ、
雲→鳥→かもめ→いるか.....と形を変えて行くのです。
まるで2色によるマジックのようで、ページをめくる度に
魅せられます。
また、絵のはずなのに、空の広大さ躍動感すら感じさせられ、
ただただ、すご〜い!と感嘆するばかりでした。
この絵本は、未就園児の読み聞かせにもとても適していると
思います。というのも、必要最低限の文しかないんです。
却って、その多くを語らないところがこの絵本を最高にしている
と思います。
幼稚園児の息子も、次々と形を変えていく、2色の創造物に
目を見張ってました。一筆書きのなせる業です。
子供本人が好むかどうかは別として、こういう芸術やその遊び心に
身軽な絵本という手段を通して触れさせるのも、芸術を楽しむ目を
養う機会になり大切かなと思います。
とってもお薦めです。是非、読んでみてください。
U.G.サトー(佐藤雄治)さんの世界にはまりそうです。 (汐見台3丁目さん 40代・ママ 男の子4歳)
|