乳牛のもつ「発酵タンク」と「ミルクタンク」に着目、栄養生理と泌乳生理の両面から乳牛の健康と乳生産について、初めてわかりやすく集大成。まず、乳牛はルーメンという「発酵タンク」と成長ホルモンに調節されている「ミルクタンク」をじつに巧妙に使って多量の牛乳を生産していることを説明。その「発酵タンク」や「ミルクタンク」の環境を整え、恒常性を維持していくことが、乳牛の健康と乳生産(高泌乳)の両立につながることを解説。そして、現代の酪農の特徴や課題をふまえ、これからの飼養管理の着眼点やヒント、方向性を示す。 はじめに 1牛乳生産のあゆみ、そして現在 2乳の成分と子の成長、ヒトの健康 3乳牛の消化管の形態とはたらき 4ルーメンにおける発酵と微生物 5ルーメン微生物による栄養素の代謝 6ルーメンの機能と代謝機能の発達 7ルーメン発酵と乳生産 8乳牛の健康とルーメンの恒常性 9ウシにおける生理機能の特異性━尿素とNaの体内循環━ 10ミルクタンクの構造と牛乳の合成 11泌乳の内分泌制御と成長ホルモン 12乳牛の健康とこれからの乳生産
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