バレンタインさんのホテルには、たくさんの人がやってきます。みんな、このホテルが大好きです。娘のエルシーはお客さんのリクエストにおこたえするのが仕事です。そんなある日、物置にトラが。
「とまるところがなくて こまっているんだ」
トラの名前はエメット。でも、トラが泊まれる部屋はありません。そこで、エルシーは自分の部屋をつくりかえてしまいます。エメットもエルシーも大満足。ところが今度は、トラがいる居心地の悪さで、お客さんがみんなで出ていってしまいます。困ってしまったバレンタインさんを見て、トラは知り合いみんなにこのホテルの事を知らせました。すると……お客さんです!
最初のお客は小さなカメさん、次には大きなゾウさん、ペンギンさんにヒョウさんにキリンさんに。それぞれのお客さんに合わせてホテルを改造していくので、バレンタインさんは大忙し。でも、おかげでバレンタインさんのホテルは、どんなお客さんにも居心地のいい素敵なホテルになっていきます。
ドアを作りかえ、地面を掘り、砂を敷いて、氷まで用意して。どんなお客さんでも受け入れるなんて、それこそ大変なこと。でも、バレンタインさんにもエルシーにも迷いはありません。エメットが作ってくれたきっかけなのです。一緒に暮らす3人は本当に幸せそう。そして言うのです。
「どなたでもどうぞ!」
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
バレンタインさんのホテルには、たくさんの人がやってきます。 お客さんのリクエストにおこたえするのは、娘のエルシーのしごとです。 ある日、こまっているトラをホテルにとめてあげたふたりでしたが……。
「多様性を理解する心」「相手をおもいやる気持ち」の大切さを伝える絵本。
「トラがいるので、にんげんのおきゃくさんはでていってしまいました」というシーンで「「そりゃそうだよ〜」との声が聞き手から聞こえてきました。
でも、そういう逆境を乗り越えて色々なお客さんのオーダーにこたえる主人公たちは、すてきでした。
(だっこらっこさん 40代・ママ 女の子8歳)
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