冬ごもりを前にした小グマが一頭。
父さんも母さんも鉄砲に撃たれて、ひとりぼっち。
寂しくてたまらない気持ちを和らげようと、入り口に
「楽器を教えて下さい。お礼はします。」
と張り紙をします。
それを見てやって来たのは・・・・・
3つのお話が収録されています。
「北風のわすれたハンカチ」は、音楽を教えてほしいという張り紙を張ったくま。くまは、半年ほど前に悲しいことがあってから一人暮らしなのです。
音楽と一人ぼっちのくまで思い出したのは絵本の「くまとやまねこ」でした。少し似たものを感じました。
前半のくまの様子はとてもかわいそうで見ていられませんでした。安房直子作品は、悲しい結末で終わることもあるのですが、このお話に関しての読後感は良かったです。
「小さいやさしい右手」は、昔話にあるような、継母にいじわるをされる妹娘に親切をする魔物のお話です。継母のいじわるぶりがとても切なく感じました。その切なさゆえに非常に心に残りました。
「赤いばらの橋」は、子鬼のお話です。赤い帽子を忘れた女の子を探して冒険をする子鬼。展開には、やはり昔話的なものを感じ、ハラハラする場面もありました。子どもの好奇心や無邪気さなども感じました。 (はなびやさん 40代・ママ 男の子7歳)
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