近代というニヒリズム(無常)があらわになった時代をいかに乗り越えるべきか。著者はその克服の可能性を、逆に無常を積極的に選びとり徹底させる中世の禅思想のなかに見出していく――。
最高傑作「無常の形而上学―道元―」をはじめ、「禅と自然」「風狂の詩僧―一休和尚―」など、戦後日本を代表する禅知識人・唐木順三による世評高い卓異の論考10篇を精選。
解説=寺田透/文庫版解説=飯島孝良
※本書は、1981年に「法藏選書」として法藏館より刊行された書籍の文庫版です。
【目次】 禅と自然 道 元―中世芸術の根柢― 無常の形而上学―道元― 『正法眼蔵』―わが一冊の本― 『正法眼蔵』をどう読んできたか 正法眼蔵随聞記について 道元と良寛の心 法燈国師のこと 風狂の詩僧―一休和尚― 禅と中世文学 〈解説〉背景にかかはる(寺田透) 〈文庫版解説〉日本の「伝統」を探究すること(飯島孝良)
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