日時計、ゼンマイ、クオーツ等。計時具から見えてくる人間社会の変遷とは? J.アタリが「暦と権力」の共謀関係を大柄に描く経済思想史学の大著。
=== 日時計、ゼンマイ、重錘、クオーツ――これら計時具から、人間の文明はどのような変遷を辿ったと言えるだろうか? 時間が神々のものであり、自然のリズムとともにあった古典時代〈神々の時〉。人間の肉体に時間が内在化され、聖堂の大時計などで統御するようになる中世〈肉体の時〉。より精密に数量化された時間に経済価値が与えられ、人間の生活を成型していく近代〈機械の時〉。そして、予めプログラムされ、記号化された現代の〈コードの時〉へ。博覧強記で知られる著者が、「時間と暴力」「暦と権力」の共謀関係を丹念にすくいあげる。ジャック・アタリ初期の代表作。
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日時計・ゼンマイ・重錘・クオーツ―― 時間を統御する 人類との共謀関係
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【目次】 第1章 水と日時計 T 神々の時 1 聖なるもののリズム/2 時間の帝国 3 KronosとChronos /4 時間、暴力、権力 U 聖なるものの暦 1 秩序と水/2 暦の館/3 追放(オストラシズム)と朔日 V 水と日時計 1 日時計と香料/2 修道院と水時計 W 時打ち人形と市塔 第2章 重錘と棒テンプ T 身体の時 1 重錘と棒テンプ/2 時間の各種装置/3 時計師と天文学者/4 時計と心臓/5 身体の時 U カーニヴァルと大市 1 農村の時間と都市の時間/2 司直の鐘/3 司直の祝祭 V ゼンマイとクロノメーター 1 ゼンマイと振り子/2 時計と人間=機械/3 洋上の精密時計 第3章 ゼンマイとアンクル T 時間の機械 1 アンクルと工作機械/2 画一品の精度 U 機械の時 1 時は金なり/2 時間の節約/3 タイムカード、時計係、コンベア V 時間通りに生きる 1 万人の時間/2 各人の時間 第4章 クォーツとコード T 危機の時 1 最後の時間機械/2 失われた時間、生きられた時間 U 生の時計、死の時計 1 固有の時間と普通の時間/2 時間の過剰とクォーツ時計/3 エレクトロニクスの暦 V 《明敏な夜警……》 1 《太陽の下に新しいものはない》/2 《新しいものは上にある》 引用・参考文献 解題 文庫版訳者あとがき
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