藤沢周平の代表的時代連作集「立花登」シリーズ全4巻の3巻目。
医者になる夢を叶えるべく江戸に出た登を迎えたのは、はやらない町医者の叔父と、口うるさい叔母、驕慢な娘ちえ。居候としてこき使われながらも、叔父の代診や小伝馬町の牢医者の仕事を黙々とこなしている。 新しい女囚人おきぬは、顔も身体つきもどこか垢抜けていた。下男を手なずけ貢がせるしたたかさに、登るは牢に入るきっかけとなる事件を探るが――。
起倒流柔術の妙技とあざやかな推理で、若き青年医師が、獄舎にもちこまれるさまざまな事件を解いていく。
『愛憎の檻』には、「秋風の女」「白い骨」「みな殺し」「片割れ」「奈落のおあき」「影法師」の6篇を収録。
解説・佐生哲雄(松竹プロデューサー)
82年に中井貴一主演で連続ドラマ化。そして2016・2017年に溝端淳平主演で、NHK BSプレミアムにて連続ドラマ化。
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